秋になりました。
コロナの収束がまだまだ見えない中、あっという間に季節が過ぎてゆきます。
そんな中、家族が育ててくれた朝顔はいまなお可愛らしい花を咲かせ続けてくれています。
お手伝いしている着付け教室も、3月から5月までお休みとなりましたが、6月から手指消毒、換気、マスク・フェイスシールド着用など対策を徹底して再開、8月の厳しい暑さも無事に乗り切って授業が行われました。
私も先生方も生徒の皆さんも、それぞれお気に入りの夏の着物や浴衣でやって来て、暑さに参りながらもお互いに「今年もこの着物が着られて良かった」と喜び合ったことでした。
さて、毎夏、教室や街中でお見掛けする浴衣や単衣、帯の模様に朝顔を見つけると、「ああ、夏が来たな」、「ほんとうに様々な色やパターンがあって楽しいな」と人知れず盛り上がってしまいます。
そんな朝顔、もとは「朝の容花(かおばな)」の意で、朝に美しく咲く花をいい、本来は特定の植物名ではなかったそうで、万葉時代には「桔梗」、平安時代初期には「槿(むくげ)」の花を朝顔と呼んでいたそうです(ビックリですね!)。その後、中国から薬用として渡来した「牽牛子」の花色が美しいことから「朝顔」と呼ぶようになり、今日に至っているそうです。
(長崎盛輝著 「かさねの色目―平安の配彩美―」より)
季節や模様のお話ひとつとっても諸説あり、どんどん広がってしまう着物の世界、ささやかながら楽しい話題を時々こちらで書かせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
次回は日本の伝統色のお話を。
京むらさき