忘れられない話と吊るされた男

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占い
占いとかしてるので、基本的にご依頼してくださる方は、
何かに困ってたり悩んでる方が当然多いわけです。

中にはびっくりするほどの試練に耐えてらっしゃって、
それでもお辛くてご相談にきてくださってはいるのだけど、
これこれこうしてます、という段階で、
もうすでに頭が下がるような方が世の中にはたくさんいるわけです。

まあ占い師なので、内容に沿って鑑定はさせて頂くけど、
そういう方見てると内心、
” 人生には越えられるハードルしかこないらしいからきっと大丈夫だ”
と、
なんの根拠もなく、だけどなんか強く確信しちゃったりするんですよね。


なんの根拠もなくって言ってるけど、
多分根拠らしきことは私の人生(私はヘタレなので主に私以外の方々の人生でw)でもいくつかあったのでそう思うんじゃないかと思うんですが、
もう私がまだ二十歳になるやならずで友達から聞いた話で、
当時の私的には想像もできないくらいすごい・・!と思った話があったので、
紹介させていただきます。


友人A子の地元の友達Bさんの話なので、私は全く面識がない人なんですが、
この方がホームステイでアメリカに半年だか1年行かれたらしいです。
A子は結構なお嬢様だったんですが、そのA子がBさんをお嬢様育ち、
と言ってたので、相当何不自由なく、それこそ出家前のお釈迦様のごとく、
世の中に苦しみや辛さ、悲惨さがあるとは全く知らない状態でホームステイに行かれたわけです。

ところで今はどうか知らないですが、昔は今ほど留学が当たり前ではなく、
費用とかも結構かかってたと思うので、行く人が少なかったせいか、
私の友人で留学した人は、軒並みでかい家の裕福な家庭にホームステイした、という話しか聞かなかったんですけど、
Bさんはそんな話聞いたことねえ!って思うような、とても貧しい家庭にホームステイされてました。

小屋みたいな家(Bさん談)に視覚障害で目が見えないご主人、奥さん、まだ幼い子供二人みたいな家で、劣悪な環境な上、
障害者のご主人と幼い子供でもう家庭が全然回っていないという状況。
Bさんもついた直後はショックのあまり、毎晩泣いていたそうですが、
Bさんが利用した留学斡旋業者では、1週間だか2週間だかすると面談があり、何か馴染めない家庭や問題ある家庭にホームステイしてる人は、
ホストファミリーを変えてもらえる制度があったんですが、
悩んだ挙句、Bさんは変わらないことにしました。

アメリカなので、ちょっと買い出し行くにも、コストコみたいな巨大なところしかないんだけど、盲人+幼児の家庭なので買い物だけでも大変で、
駐車してもだだっ広い駐車場で車どこに停めたか忘れちゃったりしてて、
そんな中で未成年とはいえ成人に近いBさんは自主的にこのダメな家庭を助け、買い物の引率やら家庭での家事やらを手伝い、
ホストファミリーはBさんのおかげでめちゃくちゃ助かったと思います。

そんなBさんが留学を終え、帰国することになったんですが、
そしたらそこでなんとホストファミリーが全員号泣しながらこんなことを語ったそうです。

アメリカは終戦直後から戦争の賠償の一部として、日本人のホームステイ受け入れ家庭には税金一年免除他の優遇が行われており、
今でも1日数千円/人の補助金が出てるらしいです。
ご主人が障害者で、奥さんも幼子を抱えているホストファミリー宅では、
この補助金にめちゃくちゃ依存してるらしいんですが、
この環境なので、Bさん以前の留学生は全員1週間くらいでいなくなっており
当然ホストも一瞬しか補助金受けられないのですが、
それでも大いに違うらしく、いつもまたこの子もいなくなるだろう・・と思いつつ留学生を受け入れているらしいのですが、
何とBさんが満期いてくれたおかげで補助金はガッツリ貰えてる上、
Bさんがファミリーの一員となってくれ助けてくれたおかげで、
この一年本当に助かったし幸せだった、Bさんありがとう・・と号泣されたという話でした。

Bさん曰く、このファミリーは貧しいこと以外は特に問題なく、
ご夫婦もお子さんもいい人・いい子で仲良くやっていけたから、慣れたら割と平気だったそうなんですが、私はこの天使のごときBさんのありようや、
困難に簡単に負けてしまわない強い生き方がこの結果を招いたように思え、
当時19歳だったのですが、とても衝撃を受けました。

タロットでもこういう場面だよ、って教えてくれる札がいくつかあり、
その一つは私も度々ブログで取り上げている死神で、
どう考えても今不幸やん?って状況でも、それを受け入れ、
それでも幸せを目指して前に進んでいく場面です、って訳なんですが、
「吊るされた男」もまたそうです。

吊るされた男は、磔になったキリストがモデルと言われ、
逆さに磔になった男性の絵が描かれています。
意味としては、身動きできない、思い通りにならない、というような意味で、
実際にしんどい状況の時に出ることが多いのですが、
まずキリストがモデルになってるように、自己犠牲の暗示もあり、
これは自己犠牲というより、個人的には自分が我慢しないといけない、
耐えなければいけない場面、という意味であることが多いと思います。

なのでしんどい訳なんですけど、そのしんどさを、何か自分の運のせいにしてみたり、なぜ私だけこんな目に・・・みたいな被害者意識的に思うか、
困難がきた!試練が来たぞ!試練、それはつまり伸び代・・・!
と思えるかで結果に違いが出てくるみたいな意味があるんです。

吊るされた男はキリストとは違って、逆さに吊るされてるのですが、
これは ”逆の方向から見てみる”という意味があり、
困難を運の悪さや不幸とは捉えず試練だと捉え、大切な時期を生きている、
と思うとなんか物凄いことが起きるよ、って啓示なんだと思うんですよね。

試練・・!っていうと、また何か大変大層なことに聞こえるけど、
要するにチャレンジなんです。
不幸や不自由とはつまりハンデ、ハンデありの状態で頑張れたら、
ハンデがなくなったらそれまでの倍以上に動けるのは、
もうある意味当然なんですよね。

Bさんはもちろんタロットなんかしてないので、
ただひたすら真摯に対応してたらこうなった、ってだけなんでしょうが、
19歳の私は、不幸は不幸としか思えない視野の狭い人間だったので、
どう考えても自分なら死にそうな超絶不幸な目に遭ってもそれを回避できるのにしない、ということ、
チャレンジを続けて結果的に素晴らしいホームステイになったということ、
(ちなみにこれだけホストファミリーとコミットしてたら、英語力は当然格段に上がってると思います)
この2つにめちゃくちゃ衝撃を受けたんだなと思います。

私はその後の人生でもっと軽度の不幸にもその都度メソメソして死にたい・・と思ったことも一度ならず、って感じのダメ人間ですので、
Bさんのこのすごくいい話がイマイチ活かしきれてないのが我ながらトホホなんですが、何というか、こういうある意味実現可能なミラクルみたいなのを
実際に知ってるってことは、苦しみやない!チャレンジの季節到来で、お祝いしてもいいくらいラッキーなんだ!とか言っても、
多少説得力が出てるんではないかと思ってます・・・

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