【緩々法学部】民法 ~契約の代理2~

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法律・税務・士業全般

権利のない代理の取り扱い

代理権のないものが本人の代理人であると称して契約の相手方と契約してしまう行為を無権代理という。

無権代理によって締結された契約は、原則として本人と契約したことにはならない。
例外として、無権代理による契約が行われた後に本人が追認したときと、後述する表見代理が成立したときに有効な契約とみなされる。

契約の相手方は、無権代理による契約を本人に追認するかどうか回答を求める催告権が認められる。また、契約の相手方が無権代理であることを知らなかった場合、追認を待つことなく契約を無効とすることができる。

一方、代理人が無権代理であることを知ったうえで悪意を持って契約を行った場合、その相手方は無権代理行為を理由に契約を無効とすることはできない。単に過失であった場合はこの限りではなく、契約を無効とすることができる。

Q.無権代理行為の相手方の催告権はどのようなものか
A.本人に対し、相当の期間を定めて、その期間内に追認するかどうか確答すべき旨の催告ができる。


無権代理行為は責任が追及されることもある

無権代理人の行為が本人に追認されなかった場合、相手方から本人に代わって契約の履行を求められるか、損害賠償の請求をされる場合がある。

無権代理人が制限行為能力者であった場合は、責任を追及することができない。


実際には権利がなかったり、与えられた範囲を超える表見代理

表見代理とは、
・本人がある人物に代理権を与えたと相手方に伝えていたにもかかわらず実際には代理権を与えていないまま行われた代理行為
・与えられた代理権の権限の範囲を超えた代理行為を行ったこと
・すでに消滅した代理権を利用して代理行為を行ったこと

以上3つの要件を相手方が知らなかったときに成立する。


代理人の代理人=復代理人

本人のために代理人が選んだ代理人を復代理人という。
復代理人が本人のために行うことを相手方に示して行う契約などを復代理という。復代理人はあくまで本人の代理人としてみなされ、本人の代理人であることを顕名することが必要になる。
復代理人は本人に対して、代理人と同一の権利と義務を有している。

復代理人が選任されるのは、本人の許諾を得たときと、代理人にやむを得ない事情が生じて復代理人が必要となったときに限られる。

法定代理人は、未成年者の両親などの法律によって本人の意思とは関係なく選任された代理人のため、いつでも自己の責任において代理人を選任することができる。
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