労力はコストに反映しない?

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おそらく国内最大手のオークションサイトである「ヤフオク」で市販プラモデルの完成品を出品した時の話です。
 ワタシは主に1/24スケールのクルマのプラモデル自作製品を出品したのですが、オークションの目的として入札者はできるだけ安く競り落としたいと考えて参加しています。
 しかしライバルとのし烈な入札合戦になった場合、自分がその商品に出せる額というものをあらかじめ考慮して入札しますが、自分の出せる額を超えた場合、そこで競り合いから脱落する。
 ワタシがつい最近、ヤフオクに出品したものではスープラのレーシングカーのと、トヨタbBがあります。
 ヤフオクには出品時の価格のほかに、ある金額を設定するとその金額で即時、落札できるという仕組みがあります。その手法で出品したのです。
 実は過去にリサイクルショップに何台か持ち込んで売った経験があります。あちら側としてはあらかじめ買い取ってみて売れるかどうかの判断、その後に展示した場合にいくらで売れるかを推測して買取値段を決めています。
 こういった自作の品というのは市場の相場やその車の人気度に応じて価格が決まってくるようです。
 ちなみに、大手模型メーカーT社でも自社の模型をプロのモデラーが完成させたものを市販しています。今は随分と値段が下がりましたが、レクサスの唯一の市販レーシングカーである「L-FA」、マスターワークコレクションというシリーズで、確か三万円台で売られていました。塗装はもちろん、細部まで精密に組み上げられ、千葉の幕張メッセでホビーショーがあった際に実物を見ましたが、かなり実車に近く再現されていました。それでもいつの間にか同社のHPで見かけなくなったという事は、その値段ではなかなか買い手がいなかったということのようです。現在はレーシングカーの完成品が一万円前後で売られています。
 さて私の方の本題へと話を戻しますが、当時茨城に住んでいた時(今から5年くらい前)、幹線通り沿いのリサイクルショップに完成品を持ち込みました。その中ではGT-Rのレーシングカーが1000円くらい、他の街中を走るありふれた乗用車、例えば最終型のセリカやトヨタ・コロナのFRやランサー・エヴォリューションの元祖、ランサーEXなど。ワタシが興味を持って見てきた80年代当たりのクルマを中心に持ち込んでいました。
 みなさんは市販プラモがいくらかご存じでしょうか。大体2~3000円台の中に入る価格帯です。例外として秋葉原で見かけるような、アニメなどのキャラの大型ステッカーを車体に大きく貼った痛車のプラモは多少高く、4~5000円です。それを車体をまず全塗装し、各車体の部品もすべて組み立て説明書通りに塗る。模型製作の最初の試練はそこです。ひたすらピンセットと細い筆を手に、ある時は拡大ルーペを眼鏡に付けて目の前に近づけての作業。その段階では足回り、室内、外装と分けて塗ったり、同じ色のパーツを先に塗ったり、更には市販の塗料にはない色の場合は既存の塗料を1対3などと混合してできるだけ現車に近づけて着色します。
 ワタシが思うに、クルマの模型製作のほとんど大部分が塗装で決まると考えています。仕上がりの良さでは確かにエアコンプレッサーで塗る方がきれいに仕上がりますが、2、3個の小さなパーツだけの為にエアツールで塗って、また内部をクリーニングしてというのでは効率が悪すぎるので、ワタシは今でも手塗にこだわっています。丁寧に重ね塗りすれば筆跡なども一見したぐらいではわからなくなります。
 それでも車体全体はやはりスプレーします。その都度、塗りたい色の間スプレーを塗ります。あれ一本で大体数回は塗れるので、一本一台という感じです。そのあと、コンパウンドやプラモ専用の磨き剤、コーティング剤などを使ってきれいに艶を出し、車体はやっと完成します。
 塗装まで終えればもう後はとても楽しい作業です。組み上げるほどに自動車の形になってゆく。最後にドアミラーやワイパーなどの小物を取り付けて完成。レーシングカーの場合はここからがまたひと仕事。ものすごい数のデカール、言ってみれば実車であればステッカーを貼る作業。少しでも無理に引っ張ってしまうと簡単にちぎれたり、曲面ではしわをなるべく出ない様にしたりと。それはそれは神経の使う作業です。前述のスープラのレーシングカーもなかなかに難物で、ゼッケンナンバーの一文字を6枚の小さなデカールで片付くるという難しさ。エンジンフードの排気穴が、家庭用エアコンの出口みたいに数枚の羽根状になっているので、それに合わせてデカールも分割されているのです。ピンセットの手が思わずふるえるくらい。
 他にデカール貼りの難物と言えば、マツダが1991年にル・マン24時間レースで世界一となったチャージマツダ787Bがあります。これは元々のレーシングカーの外装がとても模様が複雑で、オレンジとグリーンのメインカラーの境目に白で点線模様が入っています。メインスポンサーがレナウンという事で、洋服の縫い目を表現しているようです。
 車体の塗り分けといっても、模型に境目を示す細線が入っているでもなく、自分で何かカッターで線を引いて塗るか、あるいはデカールを貼るサイズに切って目印をつけてから塗るしかなさそうです。現物合わせですね。T社の787Bは何とか塗り分けましたが、いま取り組んでいるH社の787Bは難しい方のモデル。どうやって塗り分けるか、現在思案中。似たものに日産のR390というものがあり、その時はデカール試し貼りの現物合わせでした。なんとか完成はしましたが。
 こうして実車そっくりに作り上げるには、まずは部品の洗浄(パーツは型に流し込んで作りますが、それをはがしやすくする離型剤というものが付着しています。そのままだと塗装をはじく場合があるので念のため洗います。それから塗装で大部分の時間を割く。大体数十時間という単位でしょうか。その後に組み立て。これはそんなに時間は要しません。そしてレーシングカーならデカール貼りをしてから、はがれにくくするためにクリア塗装をしてから磨き工程。やっと完成です。
  塗装からやって1~2週間。レーシングカーならプラス2日くらい。これを時給で換算したらトータル60時間として、最低賃金の700円くらいにしても42000円ですか。まあT社のマスターワーク・シリーズの値付けは妥当かもしれませんね。材料費、塗装代こみの値段ですから。
 ワタシも今までに何十台とヤフオクやリサイクルショップに売ってきました。手作り品を売るという点ではセミプロと言えます。本業にすればプロですが。それがヤフオクの最高落札価格で3000円くらい。買う方は安い方がいいに決まってますし、作る側の労力・体力損耗などは知りませんから。組みたて前のモノと同価格ぐらいで塗装・組み立て完成品が手に入るのですから、こんな楽なコレクション集めはないでしょうね、きっと(泣)。
 ワタシは他にフィギュアを収集する趣味があり、もう数十体部屋に展示してます。通信教育でフィギュアを学んだので、時間が出来たら取り組んでみたいです。材料と製作ツールは揃ってるので。
 では、これからこないだ仕入れてきたバイクとパトカーの模型の製作にでも取りかかるので、これにて。長文にお付き合いいただき、有難うございました。(ちなみに当文章は私自身のブログにそのまま掲載します。あしからず。そちらは商用ではないブログなので転載は大丈夫なはずです)

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