【テーマ】『君たちはどう描くか』

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デザイン・イラスト
皆さま
大変お世話になっております。
コケゴウです。

バタバタとしていて久しぶりの更新になってしまいました。
ごめんなさい。
まずはココナラでのご依頼について
アナウンスを少々。。。

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て、久しぶりのブログの更新となってしまいました。
寒い日が続いておりますが、皆さまお元気にされておりましたでしょうか?

このブログを楽しみにしておられる方がおりましたら、大変間が空いてしまい申し訳ございません。
近況報告としましては、おかげ様で元気に働いております。

今回は度々聞かれる「どうやってイラスト描いてるの?」にほんの少しだけ答えてみようと思います。
勿論人それぞれでやりやすいやり方があると思うので、ここで紹介する描き方はあくまで、僕にとってはこれが最良だった(現時点)というやり方です。
なのでイラストを描かれる方がいらっしゃいましたら「まぁこんな書き方もあるもんだ」と聞き流していただいてもかまいません。ちょっとだけ参考になりましたらとても嬉しいです。

それではいってみましょう!
4.jpg
まず今回のイラストサンプル一枚目の完成品。

緻密な背景やキャラクターのイメージがわいてきて、無性に描きたいと思ったとき、一体どこから描こうか?

1.jpg
これが最初の描き始め。お客様にこんな感じでラフを描きたいんですけど。と最初に渡すラフの前段階です。

最初に言っておかなければならないことは、僕はアニメーターという職業を10年近く経験してからイラストレーターに転身しました。
イラストに興味をお持ちの方であればアニメーターと聞いてピンとくるかもしれません。アニメーターとはジブリの名作や『君の名は』、国民的なアニメである『ドラえもん』等に使われる鉛筆で描いた線画を映像素材として膨大に描き続けるお仕事です。
このお仕事は正確なデッサン力と物体を捉える観察眼を備えて、線画として表現できるものは全て、いつでも、素早く、正確に描ける準備をしておくことがお仕事です。
これだけ聞くと、圧倒的な画力でイラストレーターに転身してもそんなに苦労しないでしょ?と思われる方もいるかもしれません。

僕にも、そう思っていた時期がありました。

シュトゥリングルスCDC3.jpg
アニメーターを辞めてすぐに描いた趣味イラストの線画。アニメーターの時に描く絵というのは大体こんな感じで、線を描いて終了だった。(※しばらくお待ちくださいという赤字は全く関係ありません。適当な例が無かったのでスイマセン・・・)

四年前の僕も『何とかなるであろう。』と考えてココナラさんでイラストレーターに転身することを決めたのですが、ココナラさんでたくさんのお客様のご依頼に揉まれて気づいた事。
それは、
全然勝手がちゃうやん。
という事でした。

では何が違ったのかというと、答えは簡単。
線画よりも圧倒的に表現の要素が多い。
という事なんです。
当たり前ですが、アニメで必要とされる絵は上の様に白黒の線画であり、イラストでお客様に必要とされるのは完成品サンプル1の様に色があり、木々の質感や、木漏れ日、時には湿度や、光の質感が伝わるようなそういう絵だったんです。

え!?そんな当たり前の事分からなかったん?と思われるかもしれませんが、当時の僕には全く分かりませんでした。
当然激しく躓くわけです。

イラストを構成する要素が多すぎて、どこから描こうか?この命題にぶち当たった僕は夜も眠れなくなりました。

人?樹木?建物?湿度?光の加減?

そして躓いて躓いて躓きまくって、自己流で考え抜いたイラストを描くためのある意味での鉄則が

ルールを作り最後までそれを意識して全体を描く

これだったのです。最初の描き始めイラストを見てみてください。
ここでは一枚絵で一番目立たせたいモチーフをキャラクターと定義して、まず背景を描いています。この段階では全体に自分の描くというリソースを振り分けるのとアイデアを出すためにサッと10%位の力で描きます。
この段階では全く目立たせたいキャラクターが目立っていません。
これには理由があって、僕のやり方でベストではないのかもしれませんが、『A』という絶対の前提条件である背景があって、『B』というキャラクターは『A』と比べて相対的に目を引きつつ、しかし背景『A』にちゃんとなじむイラストを描く。という方程式の様な道理にこのイラストを落とし込みたかったからです。
謂わば物差しの様な『A』という基準を最初に描かないと、そこにこうあるべき『B』の方向性を決めれない。よって背景である『A』から描き始めるということです。
もっと言い換えればキャラクターは背景に存在するもののはずなので、ある程度背景の質感を決めなければキャラクターの質感が分からない。しかしながら質感が同じものになると埋没しがちになるキャラクターの存在感を背景よりも浮き立って見せなければならないという、二律背反みたいな状態を実現しうるイラストを描くために、まず背景から描いてキャラクターを後回しにしているのです。

この考え方は、一見全体じゃなくて背景しか考えてないじゃん。と見られがちですが、頭の中ではしっかりとイラスト全体の事を考えて描いているので、例えばキャラクターの色味は背景の緑に引っ張られる。や、雨が降っていて地面の光の反射が激しいので地面からの湿気た照り返しがキャラクターの足元を照らすだろう。しかしながら背景に溶け込まないでしっかりとキャラクターを目立たせるべきイラストだ。
というこのイラストを描く場合の一定のルールが、成り行きで出来上がっていきます。
後はこの自分で決めたルールを守りそれに身を任せてイラストを描き進めればいいのです。

2.jpg
ラフイラスト、お客様に見せるフルカラーのイラストの骨組み

自分で決めたルールに従って少しづつ調整をしながらキャラクターに色を塗っていきます。自然光では真っ白に見えるワイシャツも背景の緑に寄りますし、灰色のスラックスやスカートも緑色が強くなります。足元には背景の地面からの照り返しの光を入れたり、逆に水で塗れた地面にはキャラクターの映り込みを描いていきます。
しかし、ここでも最初に決めたルールを忘れてはいけません。キャラクターを目立たせるために背景のコントラストは下げて、キャラクターのコントラストは上げています。そのために使った小物として、キャラクターのエナメルのカバンや髪の毛は背景から浮くようにあえて黒に寄せているし、逆に背景からはできるだけ黒の要素を省きます。
さらに、背景の中でも特別に目立たせたい物をいくつかピックアップしてキャラクターほどではないにしても目立たせます。色味を強くしたり少しだけコントラストを上げたり調整を行います。
このイラストで言えば、濡れた地面、アジサイ、濡れた樹木、小さく咲く白い花です。これらを使ってイラストの状況(梅雨、あいあい傘で帰路につく二人)を分かりやすく伝えようと工夫します。
そうやってできたのが、上のラフイラストです。

3.jpg
その後から続く地獄の清書作業の途中のイラスト

ルールに従って描けたラフイラストを後はペタペタと加筆して清書していきます。
キャラクターは背景より圧倒的に強くないといけないので時にはトリミングして大きくしてみたり、キャラクターのポーズを調整してより関係性を分かりやすいものにしてみたり。背景のアジサイの花びら、葉っぱ、瓦。石畳。
それらをラフで構成した色味やコントラストのルールに従順な下僕としてひたすら解像度を上げる作業です。
正直言いますとここが一番つらくて、めんどくさいと思ってしまう工程です。延々と自分で決めたルールに縛られ創造性もクソもなく、自分の事を歯車だと思いこみ手だけをひたすら動かす何の面白みもない地獄の数日が続きます。

4.jpg
そして完成へ

最後まで油断せずにルールに従い続けます。キャラクターは背景に馴染んでいなければならない。だけど目立たせたい。そして全体としてイラストの情景を分かりやすく詰め込むために、必要な要素を足し、不必要な要素を削ります。そのために最後まで考えうる全ての工夫を注ぎ込みルールに従って解像度を上げていきます。

数日それを続けていると、自分が自主的に絵を描いているのか、それともルールに描かされているのか段々分からなくなってきます。

そして一枚のイラストが完成します。

ふぇ、思い出すだけで冷や汗が出ます。

逆のパターンで必然的なルールを作り従ったイラストもあります。

描くイラストのモチーフが変わるとルールの作り方も変わります。

前のアジサイのイラストは背景からキャラクター像を導き出してルールを作り描きました。

しかしブログのこのヘッダーイラストはキャラクターを描いて背景にそれほど力を入れておりません。
エルフェルト(線画3).jpg
キャラクターから描いたラフ。

これはギルティギアというゲームのタイトルに登場するエルフェルトというキャラクターをモチーフにした二次創作イラストです。
兎に角可愛いキャラクターであるので、兎に角可愛いキャラクターを目立たせてそれを引き立たせるためだけに背景は存在するべきとした。事例です。

この場合のルールは
優先度:キャラクターの可愛らしさ>>>>>背景(背景の整合性はある程度無視しても良い)。
光の質感は背景よりも重点を重めとする。しかしながら光の温度感、質感は全てこのキャラクターの可愛らしさとパーソナリティを引き出すために必要な小道具にすぎない。

という方程式です。

その方程式を解いた結果こういうラフイラストになります。この場合は最初のアジサイのイラストと逆でキャラクターから描いていきます。そしてそのキャラクターを引き立たせる背景を後から描きます。絵としての整合性?そんなものはこのイラストでは必要ありません。
しかしながら背景の中でもステージに立つキャラクターを彩る光がサブウェポンとして非常に重要だと思ったので、ラフの段階では文句なく可愛いキャラクターを描く(70%)。そして白と黒だけで陰影の調子を考えて作る(30%)くらいの割合でアジサイの時よりも全体に割り振る力の加減が極端になります。
このラフイラストを自分で決めたルールに従順な下僕として清書した結果。

エルフェルト(清書2).jpg
完成稿。ラフよりもさらに光の演出を工夫して、煌びやかなステージの遠近感
空気感そこでパフォーマンスをしているキャラクターの魅力をルールに従って引き出す。

こういうイラストになります。アジサイとこのイラストは全く絵柄もその製作工程も違いますが、最初に『到達するべき目標を達成するために必要なルールを作る』という過程を踏んでいるおかげで、ほぼ迷いなく最後まで描くことができます。


というわけで

僕はルールを作って描く。

これが僕にとってイラストを描く上での今のところの最適解なわけです。

いやぁ普段仕事や趣味で描いているイラストの行程を文章化するのって大変だなぁと、ライターさんや、本を執筆されているイラストレーターさんの苦労が少し分かりました。

まぁもし参考になればというか、イラストってこう描くのかぁとちょっとでも興味を持っていただければ幸いです。

というわけで

どうやって描いてるの?

良くいただく質問に答えるブログでした。

いやぁ。ホントにスイマセン。

もし、またコケゴウのイラストをココナラのブログで見てみたい、こんな記事を書いてほしい、質問みたいなものがあればメッセージでも飛ばしてみてください。

折を見てメッセージをピックアップしたりしなかったり、また趣味で描いたイラストとか載せていこうかと思います。
すごく不定期になると思うので、期待はしないでね。

良ければハートもよろしくお願いします。

読んでくれてありがとうございました。
お疲れさまでした。
失礼いたします。


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