ストリートピアノ

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最近はYouTubeでストリートピアノを連弾する動画をよく見ています。チャンネル登録数最多やピアノコンクール優勝などの才能豊かなピアニストたちが街中にあるピアノを連弾するのです。連弾ですから二人でピアノを演奏するわけですが、互いから溢れ出る音の共鳴にいつも魅了されています。

ピアノという楽器は静かな曲からにぎやかな曲まで、ピアノ1台で自由に奏でられる特徴があります。また、ピアノの音色は、元気になったり、癒されたり、切ない気持ちになったりとさまざまな感情を想起させてくれます。これらのピアノの根底には、ゆらぎを多く含んだ豊かな倍音によって引き起こされる癒しとリラックス感という心地よさがありますね。

音楽にはリズム、メロディ、ハーモニーという三要素があります。リズムは人と人との情動的結びつき、メロディは安心と懐かしさ、ハーモニーは心理的・身体的な緊張と弛緩を生み出す効果があると言われています。また、音楽によって、70%以上の人が喜びといった肯定的な感情を、音楽によって喚起されたという報告もあります。

この音楽を用いて心身機能の維持・改善と生活の質を促進するものに音楽療法があります。アメリカの音楽療法学会では、音楽療法を「一人ひとりが自己の最大のレベルの機能を獲得し、維持できるよう援助すること」であると定義していますが、音楽療法は私たちの全人格、全存在としての在り方を最大限に引き出すという特徴があるのかもしれません。

音楽はもともと人間の根源にあるものだと思っています。精子と卵子が受精して細胞分裂が始まり、胎内で心臓ができます。そこでリズムが生まれます。胎児は聴覚が発達していると言われていますので、羊水の中で母親の臓器の音を聞いています。また、母親の声は胎盤を通して聞こえてきます。言葉にもリズムがあるし、母親が歌う子守歌には音楽の三要素が溢れています。歩いたり、座ったりするのもリズムがあります。むかしむかし草原で動物を仕留めていた頃も、リズムを合わせて狩りをしていたことでしょう。そう、私たちの生活は音楽の三要素に囲まれています。

ストリートピアノはわざわざコンサートに足を運ばなくても、街中で音楽に遭遇する機会をもたらします。生活の中に音楽があるということは、とても自然な環境なのかもしれません。そこで、才能豊かな人たちの演奏が聴けるなんて、なんて贅沢なことでしょう。是非、生で聴いてみたいと思っています。

そして、その人たちの連弾を聴いていると、二人のもともと持っている音楽の根源のようなもののぶつかり合いを実感することができます。本能というか野生というか、言葉では説明がつかないような人間の本質を垣間見ることができるような気がしています。

この“人間の野生”というテーマを私はずっと考えているところなので、ストリートピアノの連弾はとても興味深いのです。“人間の野生”について考えがまとまったら、またブログでご紹介したいと思います。さて、いつになることやら・・・。

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