約8分前

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今日はいいお天気です。太陽が燦々と輝いています。そのみなさんが今見ている太陽ですが、その光は約8分前のものだということをご存知ですか?

地球と太陽の距離は約1億5,000万キロメートルで、光の速度は秒速約30万キロメートルです。これを計算すると、太陽から発せられた光が地球に達するには、計算上約8分かかることになります。私たちが目にしている光は8分前に太陽から発せられた光なのです。

最近では午後5時半頃に太陽が沈みます。その日の入りの夕陽は約8分前にすでに沈んだ太陽から発せられた光だということです。つまり、私たちが見ている日の入りの夕陽は、リアルタイムの太陽ではありません。実は私たちはありのままの現象をそのまま見ているわけではないのです。

例えば、目の前で起きている出来事についても、見ている人によって記憶するものが異なります。知り合いに「おはよう」と声をかけて、返事がなかったという出来事について考えてみます。ある人は(聞こえなかったのかな?)と思う、ある人は(今日は体調が悪いのかな?)と思う、ある人は(何か私が悪いことをしてしまったから怒っているのかな?)と思う・・・。事実は「おはよう」と声をかけて返事がなかったという誰にとってもそうであるという事実のみです。でも、人によってそこに見るものが違ってきます。その人にとってはそこに見えるものが全てになります。そこにこれまでのその人の知識や経験が紐付き、感情が揺さぶられることもあります。そしてその見え方によっては、一生心に残る記憶(もしくは心の傷)に変化していくことだってあります。不思議ですね。

宇宙では、人類がわかっている物質はわずか5%だけだそうです(スティーブン・ウェッブ)。また、2013年に欧州宇宙機構が発表した理論では、原子によって形成されている観測可能な物質は、わずか4.9%にすぎないということです。宇宙は目に見えないわからないものに溢れているのですね。

そういえば、私たちに必要なものはほとんど目に見えません。人間が生きていく上で必要な酸素も、心を育てる愛も、雲を動かす風も、時を刻む時間も、唇から発せられる言葉も・・・。私たちが見ることができるものはほんのわずか。そして見えているものもありのままの現象ではないのかもしれない。そうであるならば、自分が少しでも心地よく感じられるようにその現象を見ていくことが大切なのかもしれませんね。

一昨年のゴールデンウィークに神鍋高原の宿泊施設にある天文台でブラックホールの写真を拝見しました。当時は、撮影不能とされてきたブラックホールの撮影に成功したというニュースが大きく取り上げられていた頃でした。そこで、ブラックホールはあまりの重力の強さから、光さえも脱出できない空間だと教えてもらいました。私たち人間はあまりにもちっぽけで、生きている間に知ることができる知識や、見ることができる現象は、ごくわずかしかないのかな~ということを実感した瞬間でもありました。

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