マスターセラピスト

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この写真は、東京博多間を走行しているドクターイエローです。高速で走りながら線路や架線などの電気設備に異常がないか調べているので、新幹線のお医者さんと呼ばれています。走行時刻が公開されていないため、なかなか見ることができず、私はこれまで一回しか見たことがありません。この写真はよく出張に行かれる方に送っていただきました。ドクターイエローを見ると幸せになれるかもと言われているので、何だか嬉しくなりますよね。

新幹線の中でもドクターイエローというのは特別で、収集された複雑な情報を一元化しながら、新幹線の乗り心地の向上や安定した集電、信号トラブルの未然防止などを行っているようです。カウンセラーでいうと、スーパーバイザーのような役割でしょうか。もしくは、ベテランのカウンセラーという位置づけかもしれません。

ベテランのカウンセラーの中でも「マスターセラピスト」と呼ばれるような人たちがいます。

マスターセラピストは、曖昧さ、複雑さなどを求め、そのような知的挑戦を歓迎する姿勢を持っていて、学ぶことに貪欲であり、観察力を磨き、感受性を高めることに力を注ぎます。学ぶことを楽しむという姿勢は感情的世界やプライベートな対人関係にも向けられ、他者からのフィードバックを求め、それを歓迎します。臨床的判断の自動化を拒み、状況に深く関与し、体験する姿勢、自身の判断についての謙虚さなどと関連させながら、臨床的判断を行います。

曖昧さや複雑さをそのまま心に留め置くのは、心がざわざわするかもしれません。ざわざわするのは誰もが避けたい心の状態なので、人は物事を単純に理解しようと努力します。「あ~、それはうつだから仕方ありませんね」とか。そのほうが明快でわかりやすいからです。ただ、人の心はもともと曖昧で複雑なものですから、そんなに簡単には人の心は理解できないというのが真実です。その理解のしにくさにコミットし、その人と共に曖昧さや複雑さを持ち越していけるかがマスターセラピストに求められる素養なのだと思います。

しかし、それは臨床場面に限られた姿勢ではなく、セラピストの日常にも求められる姿勢でもあるので、マスターセラピストは総合的な人間力を持つことが求められています。ドクターイエローのようなマスターセラピストに出会えたら、幸せになれるかもしれませんね。

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