ゲシュタルト

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支援者仲間で話をしている時に、ゲシュタルト療法の話題が出ました。

ゲシュタルト療法とは、精神科医フリッツ・パールズとその妻である心理学者ローラ・パールズによって創られた、「今ここ」での「気づき」を得る心理療法です。ゲシュタルトとは、ドイツ語で「かたち」「全体性」を意味します。ゲシュタルト心理学では、人間は外部の世界をバラバラな寄せ集めではなく、意味のある一つの「まとまった全体像」として認識するという考えが基本になっています。

例えば、みなさんは写真の中にウーパールーパーを見ることができますね(やっとこの写真を使えるチャンスがやってきました・笑)。それは、みなさんがウーパールーパーという1つの部分(図)に注目していて、他の部分は背景(地)と見ているからです。これはどこに意識を向けるかによって、見えるものが異なることを意味します。

ゲシュタルト療法では、意識的にどこに注意を向けるかによって、意識されずに「地」となっていた部分を、意識の前面である「図」に反転させるプロセスを重視します。この「今ここ」で自分に何が起きているかに注意を向け、抑圧された無意識な部分を意識化させることで、現在の新しい状況に対処することができるようになるのですね。

カウンセラーの学習でよく視聴される「グロリアと3人のセラピスト」という映像があります。これは、来談者中心療法のロジャーズ、ゲシュタルト療法のパールズ、論理療法のエリスがグロリアという女性とカウンセリングをしている記録映像です。ロジャーズって結構しゃべるね~とか、エリスってやっぱり論理的ね~とか、おもしろい気づきが得られる映像ですので、興味のある方は是非ご覧下さい。

その中で、パールズはひときわ異彩を放っています。パールズがグロリアに「さあ、今すぐあなたの少女から出てきなさい」と迫る部分が記憶に残っていて、なるほどこれが「図」と「地」の反転を表すのね~と思ったことを覚えています。パールズはかなり個性的な人なので、このゲシュタルト療法はパールズでなくてはできないのは?とおっしゃる心理療法家もいます。

カウンセリングを終えた後、グロリアにどのカウンセリングを受けてみたいかとインタビューをしていますが、パールズのゲシュタルト療法だと答えていたのが印象的でした。3人のセラピストとのカウンセリングの中で、グロリアが最も感情を出したセラピストがパールズだったからでしょうか。クライエントとセラピストの相性もさまざまですね。

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