闇に眠る告白

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小説
1章:孤独な始まり

松本悟は、週末の夜になると、いつものように都会の雑踏の中で孤独感に苛まれていた。彼は30歳を過ぎたばかりの男性で、普段は無為に過ごす日々を送っていた。仕事もなく、友達もおらず、親戚とも疎遠だった。彼は何かにつけて「自分は孤独だ」という事実を痛感していた。

夜になると、彼は人々が集まる街へと繰り出した。人々が楽しげにおしゃべりをする様子を眺めることで、彼は自分もその幸せな雰囲気に包まれているような錯覚を得ていた。しかし、その幸せな気分は束の間で、家に帰ると再び孤独感が彼を襲っていた。

ある夜、彼はいつものように街を彷徨っていたとき、酔っ払った男性とすれ違った。その男性は彼にぶつかり、彼に対して罵声を浴びせていた。普段であれば、彼はそんなことには構わず立ち去っていたが、その夜は違った。彼は酔った勢いもあり、突然男性を路地裏に引きずり込んでしまった。

路地裏に連れ込まれた男性は、驚きと恐怖に満ちた顔で松本悟を見つめた。その瞬間、彼は何の躊躇いもなく、男性の体にナイフを突き刺した。男性は絶叫し、瞬く間に血だまりの中に倒れこむ。彼は呆然と立ち尽くしていたが、同時に、初めて他人との繋がりを感じた。

松本悟はその後、自宅に戻り、初めての殺人を犯したことで得た感情を整理しようとした。彼は、初めて他人との繋がりを感じた喜びと、犯した罪の重さに苛まれていた。そして、彼は自分が無差別殺人を繰り返すことで、孤独を埋めることができるという考えに至った。彼はその思いを胸に、新たな人生の扉を開くことを決意した。

数週間後、松本悟は再び夜の街へ繰り出した。彼は犠牲者を選ぶために街を徘徊し、ついに次の犠牲者を見つけた。それは、一人で帰宅する若い女性だった。彼は女性を追いかけ、再び路地裏に引きずり込んだ。そして、彼は無言でナイフを振り下ろし、女性の命を奪った。

彼は次々と犠牲者を増やし、街中で無差別殺人鬼として恐れられるようになった。しかし、彼が犯した殺人は誰にも知られず、彼はまるで透明人間のように都会の暗闇に紛れ込んでいた。彼はその闇の中で、孤独感を埋めるために殺人を繰り返す日々を送っていた。

しかし、彼はやがて犯罪を犯すことで得た充足感が次第に薄れ、代わりに罪悪感が強くなっていくことに気づく。彼は、自分が他人を傷つけることで孤独を埋めることができたのではなく、ただ無意識のうちに人々に恐怖を与えることで自分の存在を確かめていただけだったということに気づいた。

彼は自分が歩んできた道を後悔し、自分の罪を償おうと決意する。しかし、彼の運命はすでに闇に囚われており、彼はその闇から逃れられるのかどうか、まだ分からない未来に向かって歩みを進めるのであった。
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