チュートリアルの実行を邪魔するハードル
チュートリアルの例題を動作させるには幾つかの共通したハードルがあります。この記事では、よく耳にする壁を紹介します。
最初の壁は?
前回は、React 公式サイトのチュートリアルを学習の第一歩の例として取り上げました。
多くの人が躓く場所は幾つかあると思いますが、多くの人がぶつかる最初の難関は、開発を始めるために必要な PC の設定ではないでしょうか?
チュートリアルでは、二つの設定を紹介しています。
* 一つは Web 上で書く方法です。
* PC に開発環境を作る方法(npmなどのパッケージ管理ソフトを使う方法)
Web 上で書く方法は、特に最初の設定は必要なく、チュートリアルをすぐに始められます。あとは、Web 上のツールの使い方を覚えれば進める事ができます。
もう一つの方法は、開発用の PC 上に必要なアプリ(ツール)をインストールして、開発を始める方法です。将来的にはこの方法で開発する事になると思いますが、初めてだと設定に戸惑うかもしれません。
必要なアプリは:
* npm (パッケージ管理アプリ、nodeのパッケージに含まれています)
* エディタ(vscodeなどのコードを入力するためのアプリ)
です。
実はこの詳しい設定は、チュートリアルでは説明されていません。 このチュートリアルの前提は、パッケージ管理アプリとコードを入力するためのエディタは既に PC にあるという仮定で書かれているからです。
難易度的には、Web ブラウザで入力する方法をとる方が簡単ですが、将来的な事を考えると、開発用の PC の開発環境を設定した方が役に立ちました。
どんな解説も仮定が必要
どんな解説にも対象者のモデルがあります。 記事を読む人は、どの程度の知識があるのかを考えた上で、どれくらい詳しく解説するかを決めた上で記事を書く必要があるからです。
通常は、HTML、CSS、Javascript を学習してから React を学習するというステップで学習をするケースが多いので、npmやエディタのアプリは既にインストールされていると考えている場合が多いです。
そこで、チュートリアルの解説は、React アプリのサンプルプロジェクトを作るところから始めている理由です。
$ npx create-react-app my-app
を実行すると、サンプルの React アプリが作られるので、そこから不要なファイルを削除して、チュートリアルをすすめるようになっています。
躓く理由は?
多くの人が、React のチュートリアルから学習を始める場合には、この最初の設定で躓くのには理由があります。この React のサンプルプロジェクトを作る前の段階の解説がないと設定が難しいからです。
この部分は、このチュートリアルの解説にはないのでこの解説を見るだけでは行き詰まってしまう場合が多いからです。
この前にやる必要のある作業は:
* NodeJS のインストール
* エディタのインストール(今回は VSCODE を例に紹介します)
です。
NodeJS はインターネットからダウンロードしてインストールします。利用している OS によってインストールのやり方が異なります。Windows と MacOS の場合はファイルをダウンロードしてインストールすれば、ほぼ問題なくインストールできると思います。 Linux を利用している場合には、利用している Linux の配布パッケージによって異なります。詳細は NodeJS のサイトやインターネットに解説がありますので参考にしてください。
エディタは、色々ありますが、既に利用しているエディタがある場合には、それを利用すれば良いかと思いますが、まだ特に利用しているエディタがない場合は、とりあえず、マイクロソフトが無料で提供している、「VSCODE」を入れてみてください。これも、インターネットからダウンロードしてインストールするだけです。
この事前準備ができてると、React の公式サイトのチュートリアルにスムーズに入れます。
レベルによって「見えない」ステップがある
既に一つの例を紹介しましたが、チュートリアルの解説に全てが書かれているわけではありません。したがって、どこかで「つっかえて」しまったら、その間には何か必要な処理が書かれていないと考えた方が良いです。
このような場合には、解説を読んでも解決しないので、別の情報を調べる必要があります。 しかし、ここで問題なのは、初めて学習する場合は、何を調べていいかわからない場合が多いので、ここでスタックしてしまう場合が多くなります。これが、3〜5回くらい試してできない場合は、「人に聞く」と紹介した理由です。
この壁は知っている人には、大きな問題ではありません。つまり、知っている人に聞く事ができれば一瞬で解決します。身近に聞ける人がいれば、学習が早く進むのはこれが大きな理由です。
あとは、インターネットで根気よく検索をして、「見えないステップ」を解決します。
まとめ
プログラミングのチュートリアルの解説文でも全てが説明されているわけではありません。チュートリアルで躓く原因は殆どの場合、この書かれていない部分が原因の場合が多くなっています。
チュートリアルの解説を何度読んでもわからない場合は、チュートリアルの解説には答えがない場合が実はたくさんあります。その場合は、前後の解説から間に何があるかを探す必要があります。インターネットの検索でも見つかる場合は多いと思いますが、誰かアドバイスを求められる人がいると、もっと早く進める事できます。
チュートリアルは万能のように見えますが、意外に落とし穴多い物です。
チュートリアルで躓いたら、何が隠れているかを探すと先に進めます。