PC のアップグレードで改善できる性能

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PC のアップグレードで改善できる性能

プログラムの開発は、PC の性能を上げることで効率が上がる場合があるという事を前回紹介しました。そこで、どんな「性能」が改善できるのかをもう少し詳しく見てみました。

性能にも色々あります!

PC の性能と一言で言っても色々な性能があって、PC などのハードウエアをアップグレードする際には、どんな性能を改善したいのかを考えて PC を選ぶと無駄なお金を使わないで済みます。

殆どの人が、PC の性能を言う時には、「速い」PC のような言い方をするケースが多いかと思います。 一体「何が速いのか」を余り深く考えずに、値段を基準に選ぶ事も多いのではないかと思います。

実際、高価なモデルを買えば、基本的に高性能の PC を手にする事ができます。そう考えると、「高価」「新しい(最新)」などを基準に選べは無難です。しかし、もう少し詳しく必要な性能を絞り込む事ができると、必要以上の PC を購入する必要がなくなります。

基本的な性能の分類

そこで、この記事では最初に一般的な PC に関連した性能の分類をしていきたいと思います。

一般的な性能は:

* 電源を入れると素早く立ち上がる
* アプリの起動が速い
* コンパイルやイメージのビルドが速い
* ディスプレイの表示が速い(特にビデオや3 D など)
* データの処理が速い(計算が速い)
* インターネットのアクセスが速い
などになるかと思います。

この中で、多くの利用者が「速い」と感じる性能は、電源を入れると素早く立ち上がる(OS の起動が速い)やアプリの起動が速いと言う物です。あるいは、ゲームや3 D の CAD などを使っていると、ディスプレーの表示が速いのも体感できる性能の一つです。

逆に、コンパイルやイメージのビルドが速いとか、データの処理が速いと言うものは、前回紹介したような大きなプログラムをコンパイルしたり、処理に時間のかかる大きなデータを扱わないとなかなかその差を感じにくい傾向にあります。

インターネットのアクセスに関しては、PC の性能も関係する場合がありますが、多くの場合は、接続しているネットワークやアクセスするサーバーによる物も大きな要因になるので、PC のアップグレードでも性能が改善しない場合も結構あります。

PC を買い替えなくても改善できる性能
上で挙げた性能の中で、電源を入れると素早く立ち上がるやアプリの起動を速くするなどは、PC の買い替えをしないでも改善できる場合があります。OS やアプリは、PC のディスクドライブにあるプログラムを読み込んで起動するので、ディスクドライブのアクセスを高速化すれば CPU やメモリが同じでも高速化が可能です。

少し前の PC の多くは、ディスクドライブにハードディスクドライブ(HDD)と呼ばれるドライブを使っているものが多いので、これを SSD(Solid State Drive)に取り替えるだけで見違えるように速くなった様に感じます。ディスクドライブの交換は OS をイントールしたりバックアップしたデータやアプリを入れ替える作業があるので、慣れないと面倒ですが、その作業さえできれば、少し古い PC でも十分に実用になります。これは、以前、古い PC をアップグレードすると言う記事で紹介しています。

ディスプレーの表示は、デスクトップ PC の場合は、GPU カードを買ってきて PCI Express スロットに挿して拡張すれば、高速化が可能です。ラップトップの場合はちょっと難しい(殆どアップグレードは不可能)です。

データの処理やコンパールなどの改善は、メモリを増設すると改善する場合もありますが、CPU のデータ処理性能も大きく影響してくるので、改善したい処理によってやり方は幾つかの方法に別れます。

PC を買う前に考える事
上に挙げた性能は基本的、最新のある程度の価格の PC を購入すると改善されます。

ところで、PC を購入するにあたって、最初に考える事は、デスクトップ PC を買うか、ラップトップ(ノート型)PC を買うかを決める必要があります。PC の設置場所などの制限で全ての作業をラップトップで行う場合には、余り選択肢はありませんが、家ではデスクトップ、出先ではラップトップ(ノート型)の様な使い方をする場合には、外出先での作業内容によって必要な性能が変わってきます。

外出先で、大きなデータを使ったデータ処理や、頻繁に大きなプログラムをコンパイルしたりしない場合には、少し古い機種や低価格の機種でも問題がない場合が多くなります。現状(2022 年)のアプリや OS の状況を考えると、メモリが8 GB 程度あって、SSD が256 GB 程度あれば大抵の開発は可能です。

デスクトップの場合は、後からの拡張も簡単にできる場合があるので、中程度の性能の CPU(インテルの Core i5 以上)を選んでおくと拡張次第で結構負荷の高い処理も可能です。基本的に、CPU の冷却の制限が少ない分、高性能の CPU を利用可能になります。

ラップトップで一通りの作業をする場合は、現状では殆どの作業は8 GB 程度のメモリでも十分に可能ですが、少し長く利用することを考えるのであれば、16 GB のモデルを選ぶのも選択肢の一つです。ただし、特に大きなメモリが必要なアプリや開発を行わないのであれば、CPU の性能の進歩も速く、長く使うより頻繁に買い換えた方が有利な場合が多いかと思います。

私の利用例は、デスクトップにインテルの Core i5 の CPU で、メモリは16 GB、512 GB の SSD を使っていて、ラップトップは M1 の MacBook Air(8GB/256GB SSD)を使っています。私の利用方法の場合、主に、Web 開発とドキュメント作成と、簡単なビデオ編集ですが、MacBook Air の8 GB/256GB SSD で問題なく全ての仕事ができます。処理速度も問題なく、結構大きな回路設計のデータ処理も概ね 30 分程度かければ対応できています。友人の M1 MacBook Pro を試してみましたが、価格を考えると私の用途では必要ない様です。

まとめ
PC の性能を考える場合、何の性能が必要かを少し細かく考えると、どのような PC を利用すればよいかある程度見当が付きます。

体感的な速度の改善ならば、ディスクドライブを SSD にしたものを選ぶと良いと思います。全体的な性能の向上を望む場合は、同じようなメモリのサイズでも新しい機種を買うと底上げが可能です。

ただし、インターネットのアクセスなどは、WiFi のバージョン以外の要素は、接続するネットワークやアクセスするサーバーの影響が大きく余り改善しない場合も多くなります。

PC のアップグレードを検討する際は何の性能が必要かを見極めて購入すると開発効率を上げることが可能になります。
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