ご存知IPアドレス?

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ご存知IPアドレス?

Raspberry Pi に限らずネットワークの設定をする場合にはほぼ必ず出てくる設定の一つに IP アドレスがあります。この記事では IP アドレスとは何かをまとめてみました。


IP アドレスの正体
簡単に言うと IP アドレスはネットワーク上の住所です。ネットワークを経由して情報を届ける際に届け先や送り主が必要なのでそのための情報と言う事になります。「アドレス(=住所)」が含まれているので、ここまでは何となく知っていると言う方が多いと思います。

ところが、この「アドレス」が着く別の物も存在します。「Mac アドレス」と呼ばれる物です。こちらも、ネットワークを利用する際には必要な情報なのですが、この二つのアドレスの区別は意外にご存知ない方が実は多いと思います。


Mac アドレスは、ネットワーク機器に割り当てられたアドレスです。厳密に言うとこの Mac アドレスがネットワークのデータをやり取りする際に実際にデータをやり取りする際に利用されるアドレスです。

でも、「どうして二つのアドレスがあるの?」と思うと思います。

この記事ではこの二つのアドレスの違いと役割について簡単に説明しています。

家と住人の関係と似ています!
実は、この IP アドレスと Mac アドレスの関係は、家とその家に住む住人の関係に似ています。

郵便物を届ける事を考えてみて下さい。郵便物には差出人と差出人の住所、さらに届け先の名前と住所を書くのが普通ですよね?これと似ているのが、ネットワークでデータをやり取りする場合には、送り主の IP アドレス、Mac アドレスと届け先の IP アドレス、Mac アドレスが必要になります。

住所は、郵便を配達するのに必要な情報で、名前は実際に誰に宛てた物かを特定するのに使われます。IP アドレスと Mac アドレスの関係もこれに似ています。IP アドレスは、データを届けるのに必要な情報で、Mac アドレスはデータを受け取る機器を指定するのに必要な情報という事です。

なぜ二つのアドレスが必要か?
では、なぜ二つのアドレスが必要かというと、これも家と住人の関係に似ています。 住人は別の家に引っ越す場合があると思います。そうするとその人に何かを送る際に使う住所は変わりますよね?

IP アドレスと Mac アドレスも似たような関係が成り立ちます。例えば、あなたの PC を家でインターネットに繋ぐ場合と、会社でインターネットで繋ぐ場合です。IP アドレスは、家で使う場合と会社で使う場合で違う IP アドレスを使うのが普通です。つまり、同じ PC でも別の IP アドレスを使う必要があります。ところが、PC、正確には PC の中のネットワーク機器に割り当てられている Mac アドレスは変わりません。これが、二つの別のアドレスが存在する理由です。


IP アドレスは、インターネット上でデータを届ける場所を特定するのに必要で、Mac アドレスは機器を特定するのに必要な情報という事です。つまり、同じ IP アドレスを別のネットワーク機器が使うことがあるという事です。会社などでは別の PC やスマホに割り当てるのが普通ですし、家でも別の PC を購入した場合は、IP アドレスは同じでも、別のネットワーク機器を使う場合があるという事です。

IP アドレスは変えることができますが、同じ機器を利用する場合、Mac アドレスは変える事ができません。

限りがある IP アドレス
もう一つ IP アドレスで知っておきたい事は、利用できる IP アドレスには限りがあるという事です。 IP アドレスは「形」が決まっていて、それに対応する「番号」の組み合わせには限りがあります。 現在のように、PC やスマホが爆発的に増えている状況では、IP アドレスが足りなくなる可能性があります。 現在主流で利用されている IP アドレスは「IPv4」と呼ばれる形です。ところが、このアドレスでは限界が見えていたので、それに対応するために新しい形の「IPv6」と呼ばれる拡張した形が導入されています。現在のインターネットではこの二つが混在した形で利用されています。

この限りあるアドレスを有効に利用する目的と、利用する PC やスマホの場所が変わった際にも、簡単に IP アドレスが変更できるようにする仕組みが広く利用されています。この仕組みは、接続するネットワークのサーバーにリクエストして「IP アドレスを借りる」という仕組みです。つまり、利用する際に必要なアドレスを借りて利用しない際は別の機器が使えるようにした仕組みです。これが、外出先でも会社でも簡単にネットワークアクセスの設定が簡単にできる仕組みです。

もう一つは、IP アドレスには、インターネット上で認識されている IP アドレスと、インターネット上では認識されていない IP アドレス(プライベートアドレス)があります。わかりにくいと思いますが、インターネット上でネットワークを利用してデータのやり取りができるのは、インターネット上で認識されている IP アドレスを割り当てられた機器だけになります。それ以外の機器の場合は、直接はインターネットを介してデータのやり取りはできません。

ではどのような仕組みかというと、例えば会社では、インターネットに接続する IP アドレスを一つ取得して起きます。会社内で利用する PC などにはプライベートアドレスを割り当てます。インターネットにアクセスする場合には、インターネットに接続する IP アドレスをもつコンピュータ(ゲートウエイと呼ばれています)にお願いしてインターネットとやり取りをする仕組みを利用します。 こうすることで、インターネットに接続可能な IP アドレスを節約することができます。

通常は、家でもインターネットのプロバイダーからインターネットで使えるアドレスを一つ割り当てられて、家の中ではプライベートのアドレスを利用するのが普通です。

まとめ
この記事では、ネットワークの設定でよく出てくる IP アドレスについて簡単にまとめてみました。 ネットワークの設定には、IP アドレスをはじめとするいろいろな設定項目があって実際に何をやっているのかわかりにくいですが、その中身や役割を理解するとその設定がなぜ必要なのかも見えてきます。

IP アドレスの仕組みは、ネットワーク上の住所でデータを届けるのに必要な情報です。これを理解するには、家と住人の関係に置き換えて考えると仕組みがわかりやすくなります。

IP アドレスの仕組みを理解すると、ネットワークの設定を行う理由が見えてきます。
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