会社と交渉なんて普通できない

よく専門家の書く記事で、会社と交渉する、とか上司と交渉する方がいい、などと気軽に書いている人がありますが、普通（後ろ盾なく、少なくとも一人で）そんなことはできるはずがありません。

就業規則がどこにあるか知らないという職場、有給休暇の数さえ知らされない職場はたくさんあります。そんな環境では就業規則はどこにありますか？とか有給の日数を教えて下さい、なんて普通の神経では言うことはできません。

有給休暇を申請するのに理由が必要とされる職場もたくさんあります。なぜ理由が必要なのですか？などと聞ける人も普通はいません。

専門家は法的に良い、悪いを判断できることはありますが、そういうフツーブラックの環境がどんなものかというのを経験したことがないからわかりません。ではどのように振る舞えばいいのか？と問えば、●●と言えばいいでしょう、と。そんなことができないからどうしたらよいかには答えません。

そこで必要なのは法的アドバイスではなくて、その会社で働き続けるならどのように振る舞うべきか、その会社で働き続けられないのであればどのような職場を選ぶかなど、意味のある、使える、実践的なアドバイスです。

唯一、会社を辞めるときだけは法的に正しいことを盾にすれば法違反については正しいことを言うことができ、権利行使であれば濫用でなければ何でもできます。ただし、これもちゃんとそれを実行した人ではないと実践的なアドバイスはできません。

さて、どんな人のアドバイスを聞けばよいのか、よく考えてみて下さい。