はじめまして。よなよな法師と申します。
会社員として30年間働いていました。仕事は嫌いではありませんでしたが、ふと気づいたんです。「自分の時間のほとんどを、何のために使っているんだろう?」と。
日々の忙しさに流され、目の前のことをこなすだけの毎日。気づけば、自分の心の声を聞く時間も、人とゆっくり話す時間もなくなっていました。
そんな折、たまたま訪れた地方の小さな寺で、お茶を飲みながら住職と話をする機会がありました。
「結局、人ってのは誰かと話すことで心を整えるんだよ」
そんな言葉に妙に納得し、思い切って会社を辞め、「話を聞く旅」を始めることにしました。
それからというもの、駅前のベンチ、山奥の湯治場、海辺の漁村、深夜のコンビニのイートイン、居酒屋の片隅――思いもよらぬ場所で、人の話を聞く日々が始まりました。