私がパニック障害になったのは中学1年生の時です。
学校の行事で竹林を歩いていた時、突然いままで経験したことない動悸に襲われ、その後自分だけ別世界に飛ばされたような発作に襲われたのを今でも鮮明に覚えています。
「やべー、死ぬのかな」
そう思いながらフラフラ自転車に乗って自宅まで戻りました。
親に事情を話し、病院でMRIや心臓の音を24時間録音する検査を受けたのですが異常無し。
当時パニック障害という言葉は今より世の中に浸透しておらず、私はそのまま15年以上パニック障害という病名に気がつかないまま30代を迎えました。
発症してから15年間、学校、部活、サークル、旅行、仕事とずっと発作への恐怖はつきまとっていました。
特に電車やバスが苦手で避けるようになりました。
そして30を過ぎた時、仕事で車に乗っているときちょっとした振動でも
「人をひいてしまったのではないか」
という考えが勝手に頭に浮かび、何度もその周辺を車で確認に行くという異常な行動がやめられなくなりました。私はストレスから強迫性障害を発症していました。
仕事も手につかなくなり生まれてはじめて心療内科を受診。そこで私は脅迫性障害とは別にパニック障害という診断をうけます。発症してから診断されて投薬治療がはじまるまで15年以上経っていたのです。
パキシル、リボトリール、頓服でリーゼなどを5年間服薬しました。5年後にようやく薬物治療は終わり、今では頓服を御守りがわりに財布に忍ばせてあるだけです。
旅行にも買い物にもストレス無く行ける、私はただそれだけで幸せを感じることができるようになりました。
私はパニック障害という病気と人生の3分の2ほど共にしてきました。
その経験を活かして、いまパニック障害と戦っている方やその家族の方に何かアドバイスできればと思っています。
乗り越えた後の透き通った景色は苦しんだ者にしかわかりません。
一人でも多くの人にその景色を見ていただきたく、その手助けになりたいと思います。
治療などについては必ず担当医の指示に従ってください。特に精神薬等は急に服薬を止めると副作用がでたりして危険です。