採光性・断熱性・省エネUP!暮らしを豊かにする窓のポイント

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住まいに欠かせない窓の役割は換気や採光だけにとどまらず、昨今は窓の断熱性能アップの改修に補助金が出るなど役割が見直されています。光熱費や健康にも左右してしまう窓の性能や改修方法をご紹介します。それに加えて生活に彩りを与える窓周りの使い方をご紹介します。

窓の役割


窓には採光と通風という2つの大きな役割があります。居室(リビングダイニング、寝室、個室)には建築基準法で採光のために窓の面積は部屋面積の1/7以上、換気のためには部屋面積の1/20以上が必用と定められています。そのため、間取りを考えるとおおよそ窓の面積や位置が決まってしまうほどです。
それだけではなく、窓には外の景色を眺めたり、自然を楽しみながら生活するための役割もあります。外部と内部をつなぐという精神的な役割もあり、宗教建築などではステンドグラスや装飾も含めて特別に扱われています。また、窓は外観を考える時の要素としてとても重要です。

注意しなければいけないのは、窓すなわち開口にすると、その分の壁の強度が落ちるので、家の構造的な観点から窓の位置をもう一度チェックする必用があります。防犯性やプライバシー確保という点でも、配慮が必要になります。

近年は省エネのために住宅に断熱性能が求められる時代になっています。いくら壁や天井に断熱材を隙間なく充填しても、窓から熱が逃げてしまうと効果がないため、窓には断熱性能と気密性能が求められています。
このように、窓は様々な役割が求められる大切で複雑な要素なので、近年はそのあり方が見直されています。

窓の断熱が家を左右する


窓の断熱性能を左右するのはガラスとサッシです。ガラスの種類には、単板ガラスとペアガラス、複層ガラスとあります。サッシも熱伝導の高いアルミよりは、木製あるいは室内側だけ樹脂を貼ったサッシの方が断熱性能が高く、結露も起きにくくなります。もちろん性能があがるにつれて値段は高くなりますが、断熱効果がアップすると、年間の光熱費を抑える事ができます。

築年数の古い建物では単板ガラスとアルミサッシの組み合わせの窓が多く見受けられます。そのため年間を通じた室内温度差が大きく、冷暖房にかかるエネルギー消費が多くなってしまいます。さらに空調をする部屋としない部屋の温度差が大きいため、身体への負担も大きく、住む人の健康面にも影響が及びます。

近年は国を挙げて省エネに取り組んでいるため、数年後にはすべての新築の建物は高断熱性能である事が求められるようになり、現状の建物も高断熱化のために様々な事業が始まっています。そのため、新築住宅では省エネ住宅の税制が優遇されたり、中古住宅では断熱性能を上げるためのリフォームに補助金の予算が取られています。窓の断熱をするだけでも家全体に効果があることを考慮して、「高性能建材による住宅の断熱リフォーム支援事業」では戸建住宅で窓のみ改修した場合に補助対象経費の1/3以内、最大で40万円の補助金が出ることになっています。その他にも次世代住宅ポイント制度や次世代省エネ建材支援事業など、いくつかの補助制度があります。

窓の改修工法は3通りが主流です。外窓の交換、カバー工法、内窓の取り付けです。外窓交換の工事は壁を壊して現状のサッシを取り外すため時間も費用もかかります。カバー工法は窓枠をそのまま使うので、付属の部品の費用がかかりますが、短時間で工事が可能です。内窓の取り付けが時間と費用の面では有利ですが、窓の開閉を2回繰り返す必要が出てきます。サッシメーカーに相談して現状のサッシを見てもらい、最善の方法をアドバイスしてもらうことをお勧めします。

また、補助金の対象ではありませんが、カーテンやロールスクリーン、ブラインド、ルーバーや障子でも窓の断熱性能は上げられます。量販店でも断熱性能の高い商品を扱っているため、一度足を運んでみるのもお勧めです。現状の窓のサイズを測る採寸に少し手間がかかりますが、数千円で採寸をお願いできるので、自分では難しいという方も気軽に頼めます。

豊かな暮らしを演出する窓


どんなに高気密高断熱にしても、実際のところ、特に春と秋は窓からの換気、通風は欠かせません。温められた空気が上昇することを利用して、家の南側と北側に互い違いの高さで窓を設けて自然の力を活用すれば、エアコンや換気扇に頼りすぎず消費電力も節約できます。
また、トップライト(天窓)やハイサイドライト(高窓)をつかって自然光をうまく取り入れれば、照明にかかる電気代も節約できます。
窓は生活に不可欠なだけでなく、付き合い方によっては生活に潤いを与えてくれたます。
窓から入る日差しは季節の移り変わりを伝えてくれます。空の変化を眺めたり、時には庭に遊びにくる鳥を眺めたり、外の景色を眺めながら生活する豊かさは窓が可能にしてくれます。

小さな窓が一つあるだけでも、そこに置くテーブルやソファは心地よさそうに見えます。
窓辺にモビールを吊るして風の流れで動く様子を楽しんだり、窓と棚の高さを合わせて季節の小物を飾ったり、窓には色々な楽しみ方があります。窓枠をタイルにして幅を広めにとると、鉢植えを置くこともできるので、窓から入る光でスクスク育つ様子を眺めることができます。

窓のあり方を一歩踏み込んで建物を考えると、内と外の境界が曖昧な豊かな住まいを作り出すことができます。屋根の軒の出を深くしてデッキと窓をつないだり、外窓と内窓の間を広く取って縁側にしたり、ヨーロッパ建築の回廊のように外廊下と窓を連続させて、内でもなく外でもない空間を作り出せます。

まとめ


色々な要素が集まる窓。その役割を考えただけでも、どれを選ぶか悩んでしまいそうです。さらに一つの窓でも選択肢が無限にあります。透明ガラスにするか擦りガラスにするか、カーテンの色、窓枠の素材、サッシの色、ガラスの種類、形、開閉の仕方などなど。けれど、その組み合わせの中でベストなものを探していくことが豊かな暮らしの第一歩になるはずです。今の窓で満足できなくても、何か一つ、たとえばカーテンを交換するだけでお気に入りの場所に近づけるかもしれません。
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