アートを楽しむための物語

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デザイン・イラスト
レストランオーナーとしての私のライフテーマである、
『 食材の命を愛でる 』という主題を、
ANTHOLOGIAという映像伝達型のレストランでメソッド化した時、
鮎のシーズンが続く間、こんなゲスト達の反応があった。

それは、川魚は嫌いと言う何割かの中国人のゲストに、
鮎が泳ぐ日本の清流の映像を見せたところ、
ほぼ全ての客がその夜食べたメニューの中で、
鮎の一品が一番美味しかったと語っていた事だ。

これは、視覚から入った情報によって脳内でどこかの扉が開き、
行動として川魚に箸を付け、味覚からの情報が偏向されることなく
脳に届く事によって起きた、純粋な反応だった。

きっと彼や彼女らは、その後の人生で再び鮎に出会ったとき、
ANTHOLOGIAの体験以前の認識には戻らないだろう。

つまり、各ツールやモチーフに対する、五感からの情報によって、
意識が広がり、世界の認識が上書きされればいいという事だ。

そのためには、2時間のコース料理を映像を見ながら食するといった、
体験のデザインがされた、ある種のプログラムが必要になる。
漠然とアートが展示されていても、文脈や背景情報を共有できなければ、
意識が広がり、世界の見方がアップデートされることは難しい。

感性だけに依拠しないアート体験を創るためにも、
楽しみながら、認識の土台となる知識をインプットする必要がある。
ではどうすればいいのかと、3日考えた。。現時点でのその答えは、

デジタルの飛び出す絵本みたいなものを作ってはどうか?
テーマに対する思考過程や、実際の制作過程をが楽しい物語になっていて、
物語によって、作品に込めた想いや、背景となる文脈を共有する。

なんか、いけそうな気がしてきた。。

ちなみに上の写真は、ANTHOLOGIAで、
出汁の旨味であるイノシン酸とグルタミン酸について
説明をしようと試みている映像で、
物語が面白くなかったせいか、反応はいまいちでした。。
物語、むずかし。。
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