遊女は巫女?

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ひふみことぶきです。

ブログでこの前、魔女について書きましたが、日本に何かそういう蠱惑的でミステリアスな女性がいたかな、と思うと、やっぱり遊女か。遊女って何なんでしょうね。単純に娼婦なのかといえば、それはちょっと違う。じゃあ、そういうお客をとらないかといえば、もちろんそうではない。歌や舞などの芸と色を売る芸能人と言った方が近いでしょう。歴史のいつから、どのように生まれてきたのか、それも諸説あります。

日本の民俗学の草分けである柳田國男は、遊女の起源は巫女だとしています。
遊女の巫女起源説。それが正しいかは断定できませんが、一理はあると思っています。実際に、古代から中世にかけて、遊女と巫女の職掌はとても類似していたことが知られています。それは、芸能と霊的な越境、そして性です。

前近代では、日本の神社の近辺には色町が栄えていました。

王子の御前の 笹草は
駒は食めども なほ茂し
主は来ねども 夜殿には
床の間ぞなき 若ければ
(「梁塵秘抄」より)

これは平安時代の流行歌、今様の歌詞です。
「王子」は熊野の若王子。巫女に神は降りてこなくても、夜になると男の客が絶えることなく、若さを持て余してはいないよ、と謡っていると考えられます。

一方で、遊女と交わることの感覚も現代人のそれとは違います。

行為そのもののもたらす感覚の中にも、古代人は神聖なものを感じとっていた。性的快楽と宗教的法悦の質的に等しいことは、すでに多くの宗教学者や心理学者が認めてきたところではある
(佐伯順子、「遊女の文化史」より)

性と聖を対極的なものと考えるのは現代人の感覚であり、古代ではむしろ質的に近いものとして捉えられていたようです。

また、遊女と巫女、両者とも歌や舞などの芸能にも堪能。うん、起源かどうか断定はできませんが、やっぱり似てますね。

お目通しありがとうございます。

ひふみことぶき





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