私はデザインにおいても「実際に書く」ということを大切にしています。それには理由があります。
それは、自分の体でもって形を現したいから。
形というのは結構不思議なもので。
周波数によって振動する膜の上に砂を巻き、周波数の高低を変えると砂は一定の模様を現します。つまり、各周波数には固定の形があるということです。ということは、その逆もあるということ。
一定の形は、一定の周波数を発している。
今という瞬間までに積み上げた努力で、今という瞬間の気温で、今感じている感情で、今出会っているお客様のために書き上げた形を、唯一実感を持てる自分の体で表現する。
それが最も自分の心が動かされる瞬間です。
だから、そうすることが誰かの心を動かすと思っています。
心が動くということは、生きている実感を得られる瞬間で、生きていてよかったと感じる瞬間。
たかが形。されど形。
そこにすべてが現わされます。