4年制メディカルスクールは主に米国が代表的で、私が所属したフィリピン医学部もそれに倣い、医学教育を実践しています。制度としては、4年制の大学を卒業して理系学士号(Bachelor of Science)もしくはそれに準ずる学位を取得してから、4年制メディカルスクールに入学する形です。つまり、高校を卒業してから、医師になるまでは最短で8年を要する事になります。しかし、私のように一度大学を出ている者にとっては、4年間の医学教育で医師になる道が開かれますので、魅力的に感じました。しかし、この選択肢は最短ルートのようでそうでなかったと痛感致しました。仮に、私が大学を卒業したばかりの若者であれば、高校・大学時代の知識も残り、有利に働いたかもしれません。しかし、学問から10年以上も離れていた者にとっては何も知識の貯金が無いまま、アメリカで医学部準備コース(Pre-med4年間)を履修した学生や様々な医療従事者、さらには理系分野博士号取得者(大学講師レベル)と肩を並べて、勉学に挑む事は無理がありました。(ファティマでは様々な理由で私を含めて7割方が留年しましたが、、、苦笑)解剖学や生理学の講義中、ドクター(授業担当者)が学生に質問すると、半数以上の同級生はおもむろに臨床現場での話を含めて、回答する方が多かったです。医療従事者で無かった場合でも、多くの学生がメディカルスクール入学前に1年次の科目は一度は履修した事があるような雰囲気でした。成績評価方法は、科目により絶対評価なのか相対評価なのかは変わりますが、いずれにせよ知識のハンデを追いながら勝負に挑むのは賢明でなかったと感じました。また、カリキュラムに関しても、座学をたったの2年で全て終わらせようとしますので、基礎医学と臨床医学(3年次も多少ありますが)を2年間で全て学ばなくてはなりません。これは網羅する科目数とその必要学習量を考慮すると、相当キツイことだと思います。