279号・流行を追わない

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  大手ハウスメーカーや建材メーカーは、自動車やファッションと同じように流行を作っています。庇をなくしたり、作ったり、バルコニーが流行れば、みんなバルコニーを付ける。最近では、WOODE DECK、屋根のあるインナーバルコニー・・・。外壁サイディング材、玄関ドア、サッシも流行に左右されてしまうので、同じ年に建てられた住宅はどれもこれも、似たり寄ったりの外観になってしまいます。

  特に日本の窯業系外壁サイディングは、色柄が多いばかりでなく流行を追いすぎます。10年もすればすっかり時代遅れの柄になってしまっています。私らから見ると、いつ建てられた住宅かわかるくらいです。住まいのデザインを悪くするばかりです。そろそろ考える時期に来ていませんか。北欧、北米の樹脂系、進化している塗り壁も検討の余地がありそうですね。

  住宅設備のキッチンにおいても、壁向きキッチンから対面キッチン、ペニンシュラキッチンから今はオープンキッチンに、UBにおいても、床排水が早いとかどうのこうのと言っていたかと思うと、ジャグジーバスに、肩楽湯に腰楽湯、天井からのシャワー付まで、こんなに変化を激しくするのは、競合意識だけが優先して、消費者をあおる日本特有な販売現象です。これでは100年どころか一代で流行遅れとなってしまい、とても二代目はついていけなくなってしまうかもね。これは一度、流行の兆しが見えると、そろって同じようなデザインになるからです。設計者、建材メーカーもハウスメーカーも流行しているデザインにしておけば安心できる。いわゆる護送船団デザインとなっているからです。
  これでは、20年、30年もすればすっかりデザインが変わってしまい、いつの間にかだれも見向きもしないデザインとなっていて30年もすると陳腐化してしまって建て替えとなってしまうわけです。日本の住宅の寿命が30年と言われる原因にもなっています。これが今までのハウスメーカー、建材、住宅設備メーカーの狙いです。長期優良住宅といっても、仮に構造体が耐久出来ても意味がありません。これはこれからも変わらないでしょうね。
 地域の住宅工務店こそ、地域の特徴、地域性を生かした独自の住まいを提供するべきです。
ハウスビルダー販売支援研究所 代表 大出 正廣

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