209.マスク着用に安心感、なぜ?

記事
コラム



・マスク着用に安心感、なぜ?

 「マスク依存症」の心理を精神科専門医に聞く
 政府が、新型コロナウイルス対策のマスク着用ルールを3月13日に緩和すると発表しました。


医療機関の受診時などの着用は推奨されますが、それ以外は屋内外を問わず、マスクの着用は個人の判断に委ねられます。
“脱マスク”の段階に入っていきますが、マスクを着用している方が安心感を覚えるという人もいるのではないでしょうか。


 メディアやインターネットでは、常にマスクをしていないと不安になり外すと落ち着かなくなる「マスク依存症」、衛生上の理由とは異なる目的で常にマスクを着用する「だてマスク」という言葉も見聞きしたりします。
精神科専門医の田中伸一郎さんに、マスクを外せない心理について聞きました。
赤面恐怖、対人恐怖とも関係?


Q.コロナ禍の3年。マスク着用に慣れている昨今、マスクの着用に安心感を覚えるのは、どのような心理なのでしょうか。
田中さん「マスクを着用することは、外出後のうがい、手洗いなどと同様に、感染予防の観点から安心感を覚えることは確かだと思います。
しかし、感染予防とは言っても、日本ではこの数年間でマスク着用が習慣化された一方、海外では早い段階からマスクなしの生活を送っていますので、個人の心理のみならず、文化による考え方の違いが影響しているように感じます」



Q.マスク着用に安心感を覚える人は、どのようなタイプの人だとお考えですか。
田中さん「まず、感染症に対する不安感や恐怖心があり、感染予防のためにマスクを着用し、安心感を得ているタイプの人が、日本には大勢いることが想像されます。

その証拠に、最新のアンケート調査では、かなりの割合の日本人が日常生活の中でマスクを外さないと思う、と回答していました。


また、マスク着用ルールが緩和されることとは別に、例えば、病院やクリニック、保健機関、医療福祉施設などの現場では、引き続き、保健医療福祉のスタッフだけでなく、医療機関を利用する人や患者、付き添いの人たちも、マスクを着用することが推奨されるでしょう。

今後、こうしたマスク着用が必要なシチュエーション以外にも、何らかの安心感を得るためにマスクを外せないとなると、精神科医としてはどのような心理が背景にあるのか気になります。
例えば、性格がちょっと神経質で不安になりやすいタイプなのか、などです」



Q.「マスク依存症」「だてマスク」というワードも見聞きしますが、それぞれ、どのような心理状態か教えてください。

田中さん「『だてマスク』については、ファッション性のことも考えられ、よく分かりません。
コロナ禍が始まる以前から、『他人の目線が気になる』『自分の表情を見られるのが嫌』という理由で、マスクをしたり、帽子を目深に被ったり、サングラスをかけたりしないと外に出られない人がいて、その背景には『赤面恐怖』や『対人恐怖』などの症状が隠れていることがありました。


そのため、メディアなどで取り上げられる『マスク依存症』の人は、もしかすると、先述したちょっと神経質で不安になりやすい人かもしれませんし、赤面恐怖、対人恐怖などの症状がある人なのかもしれません」



Q.マスク依存症などにより、対人関係の妨げになったりすることなどは考えられますか? 
もし、マスクの依存症の人が“脱マスク”などを願ったとき、どのようなメンタルで過ごし、行動に移せばよいのでしょうか。


田中さん「もしこれからマスク着用のルールが変更となり、先述したような特定の場所以外では“脱マスク”が一般的になってきたら、今度は日常生活でマスクを着用し過ぎていることに対して違和感が出てくるでしょうね。


その場合、対人場面では、あらかじめ相手に『風邪気味なので』『花粉症がひどくて』『ちょっと神経質で不安になりやすいので』などの理由を伝えておけば、それほど対人関係の妨げにはならないと思います。


もし自分がいわゆる『マスク依存症』になってしまっていて“脱マスク”を願う場合には、行動療法的に少しずつ安全にマスクを外していく練習をするしかありません。
まずは、人が誰もいない場所で外してみて、次は少し人通りがある場所で外し、というように段階的に“脱マスク”状態で過ごせる自分に慣れていきましょう」



・1000円割引クーポン 

紫光:クーポンコード→ H20WNK

・個性の特徴

・その他




サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す