第1章:平均は釣り合いの支点

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「試験の平均点はいくつか」「今月の売上の平均」ように,平均は我々にとって非常に身近な概念である.ところで,平均とは何かというと,正しく答えられる人は少ないように思う.

 結論から言えば.平均とは「釣り合いの支点」のことである.シーソーを思い浮かべると分かりやすい.二人の人がシーソーに乗ると,二人の体重が同じでない限りどちらかに傾く.しかしシーソーの支点を動かしていくと,必ずどこかで水平に釣り合うはずであり,これが平均の本質的な意味である.

 しかし,平均にはもう一つの落とし穴がある.それは,極端な値があればその方向に平均が引っ張られることである.これもシーソーをイメージしよう.極端な値があるということは,片方の棒がとてつもなく長いのである.これが釣り合うようにするには,長い先端の方向に支点を移動させるしかない.

 多くの人は平均と聞くと「真ん中の値」「普通の値」のようなイメージをもつかもしれない.それもあながち間違いではないが,時に平均は普通でない値をとることがある.したがって平均より低いからといって劣っているとは限らないし,高いからといって優れているとも限らないのである.

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