土佐犬による事故

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こんにちは、司法書士・ペット相続士の金城です。

土佐犬は闘犬として有名ですね。

私は以前、動物愛護団体で保護されていた土佐犬を連れて、何度か一緒に散歩したことがあります。

初めて土佐犬と触れ合ったときは、見た目の迫力もあるため、大の犬好きの私でも怖かったことは事実です。
ただ、その土佐犬は穏和な性格でしたので、何ごともなく一緒に散歩ができたことを覚えています。

しかし、土佐犬は闘犬として人間の手によって作り出された犬種であり、個体差もあるでしょうが、その闘争本能に火が着いた場合は手に負えない犬種であることは確かです。

実際、飼主のずさんな飼育管理が原因で、土佐犬が人や犬を咬み殺したり重傷を負わすという事件が、過去に何度も起きています。

直近の例では、2023年7月、82歳の男性高齢者が連れていた土佐犬が、散歩中のミニチュアダックスフンドを咬み殺すという事件が起きています。
土佐犬の飼主は、ダックスフンドに噛みついている土佐犬を制止しようともせず、ただ茫然と立ち尽くすのみだったようです。

土佐犬は大きい個体では体重90キロにもなるため、82歳の高齢者では、闘争本能に火が着いた土佐犬をコントロールする術がなかったようです。

ところで、日本では、法律によって飼育が禁止されている犬種は存在しません。
ただ、県や市の条例で『特定犬』として定められた犬種はあり、特定犬については飼育に遵守事項が設けられています。
土佐犬も特定犬に指定されています。

各県市の条例により、特定犬は、「おり」の中で飼育することが義務づけられています。
しかし、各県市の条例を調べても、特定犬を散歩に連れて行く際の規制は見当たりません。

特定犬の散歩時は「口輪」の着用を義務付けることにすれば、今回のような土佐犬による事件は起こり得なくなるはずです。
さらに、特定犬を飼育するには、特定犬の性格や飼育方法等について事前に講習受講を義務付けることも事故対策になるはずです。

土佐犬による事故が起きても、人間の手によって闘犬として作り出された土佐犬には何の罪もなく、ずさんな方法で土佐犬を飼育管理している人間側の責任であることは明らかです。


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