倫理感を欠く者によるペット遺棄

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法律・税務・士業全般
こんにちは、司法書士・ペット相続士の金城です。

令和5年10月20日、北海道小樽市の住宅で犬2匹を衰弱死させたとして、20歳代の飼い主の女2人が逮捕されています。

遺棄されて衰弱死したのはセントバーナードとフレンチブルドッグとのことです。
第三者からの通報によって発見されたとき、セントバーナードとフレンチブルドッグの死骸は腐敗が進行していたようです。

女2人は、衰弱死した2頭の犬の死骸を放置したまま転居しています。
警察によると、女2人が現在住んでいる家も含めて、これまでに犬と猫およそ10匹と鳥2羽の死骸も見つかっているとのことです。

責任感も倫理感もまったく持ち合わせていない者たちによって引き起こされた事件ですが、この女2人に科される刑は、極めて軽いものになるでしょう。

動物愛護法では次のように規定されています(一部要約)。
【愛護動物をみだりに殺し、又は傷つけた者は、5年以下の懲役又は500万円以下の罰金に処する。また、愛護動物を虐待又は遺棄した者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。 】

女2人は、犬2頭をみだりに殺し、又は傷つけたわけではないと考えられますので、5年以下の懲役又は500万円以下の罰金に処することは難しいと思われます。

また、人間の死体を遺棄した場合は、死体遺棄罪により、罰金刑なしの3年以下の懲役に処すことができますが、ペットの死骸を遺棄しても刑法上の罪に問うことはできないのが現状です。

喜びも悲しみも感じるペットを遺棄して衰弱死させた挙句、その死骸を放置した罪としては余りにも軽い刑ですが、女2人は、1年以下の懲役か100万円以下の罰金ということになるでしょう。

動物に対する虐待等の刑罰があまりにも軽いことを考えると、動物愛護法において、少なくとも「動物死骸遺棄罪」は設けるべきところです。

さらには、責任感や倫理感を欠く者はペットを購入できないよう、「ペット飼育資格認定証」等のライセンス制度を制定するなど、ペット購入以前の入り口での規制が不可欠であると思われます。


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