#208 ペットボトル処分時、キャップ下のリングは外さないとダメ? 外さなくてもOK?

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ペットボトル処分時、キャップ下のリングは外さないとダメ? 外さなくてもOK?


ペットボトルを捨てるときに、ラベルやキャップだけでなく、
キャップの下にあるリングも外した方がよいのでしょうか。
飲料メーカーに聞きました。



ペットボトルを捨てるときに、キャップの下にあるリングは外さないとダメ?
 厳しい暑さの日が増え、お茶やスポーツドリンクなどのペットボトル飲料を飲む機会が増えた人も多いと思います。
そんなときに気になるのが、ペットボトルの捨て方です。



多くの自治体では、ペットボトルを捨てるときにラベルやキャップを外すよう、指示していますが、キャップの下にあるリングについては、分別方法が指示されていないケースもあり、リングを外してから捨てるべきか迷う人も多いのではないでしょうか。


 ペットボトルを捨てるときは、ラベルやキャップだけでなく、キャップ下のリングも外した方がよいのでしょうか。
サントリーホールディングス(東京都港区)サプライチェーン本部包材部の齋藤義弘課長に聞きました。



リングは外さなくてもOK
Q.まず、ペットボトル飲料のキャップ下のリングの役割について、教えてください。

齋藤さん「キャップの下にあるリングは、ペットボトル飲料を開栓したかどうかを判別するために付けています。
ペットボトル飲料は、開栓時にリングだけがボトル本体に残るよう設計しています。
そのため、再びキャップを閉めると、キャップとリングの間に隙間ができるので、開栓済みであることが分かります」





Q.家庭ごみとしてペットボトルを捨てる際、キャップやキャップ下のリングは外すべきなのでしょうか。それとも、外さずに捨てても問題ないのでしょうか。

ペットボトルをリサイクルする際の過程も含めて、教えてください。
齋藤さん「ペットボトルとキャップ(キャップ下のリングを含む)は別の素材でできているので、基本的にペットボトルの処分時にキャップは外していただきたいのですが、キャップ下のリングは付けたままでも問題ありません。

確かに、キャップだけでなくリングも外した方がリサイクル時の作業効率や品質がより向上しますが、外す際にはさみなどの器具を使用する必要があり、大きな労力がかかるためです。

では、なぜリングが付いた状態でもリサイクルできるのかについて、説明します。キャップやリングに使われている素材は、『ポリプロピレン(PP)』と『ポリエチレン(PE)』で水より軽い一方、ボトルに使われている『ポリエチレンテレフタレート(PET)』は、水より重い素材です。

リサイクル工場では、ペットボトルをリングごと粉砕機で粉々にした後、水で洗浄しますが、その際、リングの素材は水に浮く一方で、ボトルの素材は水よりも重いため底に沈みます。このようにして、リングの素材とボトルの素材を分別しています」







Q.では、キャップやラベルが付いたまま、ペットボトルを捨てた場合、どうなるのでしょうか。リサイクルできるのでしょうか。また、液体が入ったまま捨てた場合はどうでしょうか。

齋藤さん「自治体で回収されたペットボトルは、機械で圧縮された後、リサイクル工場へと運ばれます。
キャップが付いた状態のペットボトルは、ボトル内に空気が入っているため、そのまま圧縮すると、ペットボトルが破裂するなどして破片が飛び散る可能性があり、大変危険です。
キャップを付けて捨てるのはおやめいただけるとうれしいです。

また、キャップが付いているとペットボトルがうまく圧縮できず、輸送効率が低下してエネルギーが余計にかかったり、キャップやラベルが混在してしまうとリサイクル工程において余計にエネルギーが多くかかったりするため、処分時に分別をお願いしています。

なお、液体が入ったまま捨てられた場合、その中身が飲料以外の可能性(危険物や汚水など)もあるため、良質なリサイクルの工程に進むことができません。
使用済みのペットボトルは、新しいペットボトルに生まれ変わる大切な資源となりますので、最後まで飲み切っていただいてから捨てていただくよう、ぜひご協力をお願いします」







Q.以前は、ペットボトルを捨てるときにラベルをはがさなくてもよかったと思います。

なぜラベルをはがさなければならなくなったのでしょうか。
齋藤さん「以前は、サーマルリサイクル(ペットボトルなどのプラスチックごみを焼却炉で燃やし、その熱をエネルギーとして回収する方法)が中心でしたが、現在はペットボトルからペットボトルへの水平リサイクルシステムが浸透しています。

そのため、リサイクルの質を高める上で、ラベルを分別することが重要となり、自治体のルールに従って分別していただくようになったと思われます。
また、以前に比べてペットボトル自体の軽量化が進んだことで、ラベルとボトルとの重量差が縮まってきたことから、リサイクル時にラベルとボトルの分離が難しくなったことも背景にあるようです」




Q.ペットボトルのラベルやキャップは、不燃ごみとして捨てた方がよいのでしょうか。それとも、可燃ごみとして捨てても問題ないのでしょうか。

齋藤さん「自治体によって分別方法が異なります。
居住先の自治体のごみの分別方法をご確認ください」






Q.自動販売機横のリサイクルボックスにペットボトルを入れるときは、ラベルやキャップを外した方がよいのでしょうか。それとも、ラベルやキャップが付いたまま入れてもよいのでしょうか。また、外したラベルやキャップは、リサイクルボックスに入れてもよいのでしょうか。


齋藤さん「最後まで飲み切った後、ラベルやキャップを外した上で、投入いただければと思います。また、外したラベルとキャップも、ペットボトルと一緒にリサイクルボックスに投入いただいて問題ありません」




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