#140 「午前中のソーシャルメディア断ち」で私の人生は劇的に変わった

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「午前中のソーシャルメディア断ち」で私の人生は劇的に変わった 

16歳のとき以来、私のモーニングルーティーンはソーシャルメディアをチェックすることから始まっていた。

脳にお手軽にドーパミンを流し込むことが、私の基本回路にプログラムされているのだ。

朝一でスマホをスクロールしないなんて考えられない。



だが、こうした朝早くからSNSに浸る生活が、私の人生をダメにしていることがわかった。

これのせいで私のストレスレベルは爆上がりだ。

集中力も持っていかれる。私は自分の朝に活力を与えるどころか、愚かにもその権利をスマホに売りわたしてしまっていたのだ。



仕事が早く終わりすぎる!

すべてはある実験から始まった。




私はとあるライフコーチと仕事をしていたのだが、彼が1ヵ月のあいだ、何かを断ってみろと煽ってきたのだ。

朝の炭水化物かソーシャルメディアで迷った結果、私は後者を選択した。



そうして迎えた実験初日、私はその日のToDoリストを午前11時までにすべて終わらせてしまった。

机の前に座って、呆然としたのを覚えている。

なんでこんなに早くできたんだろう? すると、時間を食う習慣が2つ減っていたのに気がついた。



・ぐずぐず先延ばし

私のような人間は、朝起きてから数分のうちに反射的にスマホをいじりがちだ。

何気ない「ちょっと確認」が、気づいたらいい時間になってしまう。

おかげで、せっかく朝早く起きても、1日の始まりをぐずぐず先延ばしにしてしまうわけだ。




・気晴らし


やっとのことで活動を始めると、どうしたっていろんなイライラが発生する。

うんざりするToDoリスト、不快なSlackのメッセージ、執筆の行き詰まり。

ストレスレベルが高まってくると、気晴らしを求めてソーシャルメディアに逃げてしまう。



これが邪悪なサイクルなのだ。頻繁にやることを変えていると、集中して仕事ができなくなってしまう。

面倒な作業を後回しにして、最終的には自らのストレスを増やすことになる。

このサイクルを、ソーシャルメディアを断つことで止めるのだ。



「消費」から「創造」へ

朝一でソーシャルメディアに手を伸ばすと、私たちはスマホが流すままにコンテンツを消費することになる。

流れてきた情報をむやみに消費することで1日を始めるのは、されるがままの人生を送ることにつながる。

自分のやりたいことのために動くのではなく、他人事に反応して時間を浪費しているだけなのだから。





ソーシャルメディア断ちは、自分の計画に集中する時間を捻出できるだけでなく、想像力も養ってくれる。人間の創造性は午前中に最高レベルに達するのだが、私はこの豊かな創造の時間をフルに活用することができた。





ニュースレター、ウェブサイト、新作のeBookの準備など、個人的に熱を込めた新しいプロジェクトも山ほど進められたのだ。

「自分の本当の声」に気づく



ソーシャルメディア断ちにより、私の1日は現在、2つのパートに分かれている。

ソーシャルメディアなしの午前と、ソーシャルメディアありの午後だ。



これは非常にわかりやすい対照実験となった。

自己懐疑やインポスター症候群(自身が得た成功や賞賛が過大評価に感じられ、周囲を騙しているような感覚に陥る心理状態)、不安などは、だいたいいつも午後に現れたのだ。



たとえばある日の午前中、私は駆け出しのフリーランスライター向けのウェブ相談会に相談員として出席していた。

企画はうまく進んだし、人前で喋るものとしてはこれが私の初仕事だった。何から何まで最高の気分だった。





相談会を終えた後、私はすぐインスタをチェックした。

そのとき、同じ会に登壇した別の相談員の集客が、私の2倍だったことに気づいてしまったのだ。

うわ、私って全然ダメだったんだ、と思い始めた。





だが、その日の自分の流れを思い返し、考え直した。ついさっきまで、私は有頂天だった。でも、今はへこんでいる。なぜだろう?





もちろん、ソーシャルメディアのせいだ。

自己認識に関するブログを書いているマルタ・ブロースコが、この現象をとてもうまく説明している。



「自分のメンタルの習慣に気づけば、そうした思考を続けるのか止めるのか選択することができます。

意識することで、自分の考えが『真実だ』という思い込みの先に進み、それらの考えが本当はどんなものなのかを確かめることができるのです。

精神的な価値判断は、無意識から生まれているのです」



ニュースフィードで1日を始めるということは、自身の心をさまざまな他人の声で満たしてしまうということだ。

こうした不協和音のなかでは、どれが自分自身の声なのかを見極めるのが難しくなってしまう。良い思考がいつ終わり、悪い思考がいつ始まるのかもわからない。

これを放っておくと、すべての思考が真実を示しているように誤解してしまうのだ。



効果を上げるための4つのポイント

午前中のソーシャルメディア断ちをするのは単純なことだが、簡単なことではない。以下のアドバイスに従って頑張ってみてほしい。




1. 空いた時間を何に使うか明確にする

午前中にインスタを見なくなったからといって、魔法のようにひとりでに人生が改善されるわけではない。新たに捻出された時間の使い道を明確にしておこう。これをしないと、手持ち無沙汰になって、また悪い習慣に逆戻りだ。

私はスマホを見ていた時間を、ジャーナリング(頭に浮かんだものを紙に書き出すこと)や10分間の瞑想、ブレスワーク(意識的に呼吸をコントロールする自己セラピー)にあてている。

そこからまっすぐ仕事に向かうのだ。




2. アカウンタビリティパートナーをつくる

アカウンタビリティパートナーとは、ジムのパーソナルトレーナーなど、個人がなにか計画に取り組む際にサポートしてくれるパートナーのことだ。


午前中のソーシャルメディア断ちは、賭けでもしなければ続かないだろうと私は思っていた。

そこで妹に、これから30日間、正午までソーシャルメディアは見ないと宣言してみた。

見てしまったら100ドル払うという約束もした。



アカウンタビリティパートナーを設けることは劇的な効果をもたらす。

しかし当然ながら、この作戦がうまくいくのは、パートナーとして選んだ相手に自分が嘘をつかないと確信している場合だけだ。







3. ルールは具体的に

「朝にソーシャルメディアを見ない」といった曖昧な目標で、この挑戦を始めてはいけない。

もっと具体的に設定する必要がある。



・「朝」とは何時までか? 11時まで? 12時まで?

・何日間続けるのか? 7日? 1ヵ月?

・具体的に何を見ないことにするのか? LinkedInは含まれるのか?



私の場合、メールとLinkedIn、Mediumは見ても良いことにしている。

目標を具体的にすることで、より明確に見通しを立てることができる。





4. 実行しやすい環境を整える

午前中のどこかの時点で、どうしてもスマホを確認しなければならないこともあるだろう。そうすると、「ほんの一瞬だけ」ソーシャルメディアをチェックしたくなるかもしれない。

これを乗り越える鍵は、自分の本能を抑えられるようなデジタル環境を整えることだ。たとえば、次のような対策が考えられる。





・スマホをおやすみモードにして、大量の通知が表示されないようにする。

・可能なら、ソーシャルメディアアプリの通知機能をすべて切る。

・誘惑を減らすため、気が散る原因をブロックするアプリを使ってみる。



午前中のソーシャルメディア断ちを、私は1年続けている。

もちろんこの間、何度かやらかしたこともある。今もたまに、瞑想の直後にスナップチャットを開いてしまうことがある。





こういうことはあるにせよ、午前中はソーシャルメディアを断つことで私の生産性は上がった。それまでカオスだった世界で、地に足がついていると感じられるようになった。



ソーシャルメディアを批判したいわけではない。適切に使えば、自分のビジネスを革新してくれることもある。

しかし、ソーシャルメディアはただの道具なのだ。

あなたがそれを使うのであって、それに使われてはならないということをお忘れなく。


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