なぜ簿記を学ぶことはコスパがいいのか

簿記は個人の生活からビジネス、キャリアに至るまで幅広い場面での利点があり、その投資対効果、つまりコスパは非常に高いと言えます。

今回はその利点をぎゅーっと絞って3点に要約してお話します。

まず3つの利点をお話すると、

１：ビジネススキルの向上

２：キャリアアップのチャンス

３：日常生活での活用　

です。　

ひとつずつ解説していきます。

１：ビジネススキルの向上

ビジネスの多様なシーンで簿記の知識が活かされ、経営判断や業績の向上に寄与することができます。具体例を挙げますと、

プロジェクトの収益性分析

ある企業が新しいプロジェクトを計画しているとき、そのプロジェクトの収益性やリターンを評価するための財務分析が必要です。簿記の知識を持っていれば、収益と支出を適切に計算し、プロジェクトが採算上取れるかどうかを的確に判断することができます。

予算策定と予実管理

部門ごとの年間予算を策定する際、過去の実績や将来の予測を基に予算を組む必要があります。簿記の知識があれば、過去の決算データを正しく読み解き、効果的な予算を策定することができる。また、実際の経営活動を通じて発生する収支と予算を比較し、乖離が生じている場合の原因分析や修正提案も容易になります。

資金繰りの最適化

簿記の知識を活用して過去の取引データから資金の流れを分析することで、資金繰りのボトルネックや改善点を特定できます。これにより、必要なタイミングでの資金調達や支出の最適化が行えるようになります。

業績評価と報告

経営陣やステークホルダーに向けて、企業の業績や財務状況を報告する際、簿記の知識を持っていると正確で分かりやすい報告が可能になります。特に、利益や損失、資産や負債の詳細な内訳や変動要因を説明する際には、簿記の基本的な理解が不可欠です。

２：キャリアアップのチャンス

簿記の知識や資格がキャリアアップのチャンスを広げ、プロフェッショナルとしての市場価値を高めることができます。具体例としては、

専門職へのアクセス

経理や財務部門では、簿記の知識や資格が必須とされることが多い。簿記の資格を持っていることで、これらの専門職への入り口としての門戸が広がり、キャリアの選択肢が増える。例えば、経理スタッフや財務アナリストとしての採用が有利になることが考えられます。

昇進の可能性

既に企業に所属している場合でも、簿記の資格や知識を持つことは、昇進の際の評価材料として有利に働くことがある。特に、経営層や上級管理職への昇進を目指す場合、経営全体の財務状況を把握・理解する能力は非常に重要となります。

転職市場での競争力強化

簿記の資格や経験を持っていると、転職市場でも大きなアドバンテージとなる。特に、財務関連の職種や業界への転職を検討している場合、簿記の資格は強力な武器となり得ます。求人サイトや転職エージェントを通じて、簿記資格を求める求人が多数存在しているのを確認できるでしょう。

独立・起業時の有利性

自身でビジネスを立ち上げる場合やフリーランスとして活動する際、簿記の知識は業務の幅を広げるだけでなく、自身の経営状況を的確に把握する上で非常に役立ちます。また、税務帳簿の作成や記帳に関する基本的な知識を持つことで、外部の専門家に頼らずに自分で一部の経理業務をこなせるようになり、経費の削減にも繋がります。

３：日常生活での活用

簿記の知識や技術は日常生活の中での資金管理や経済的判断に役立つツールとして活用することができます。例えば、

投資の判断基準として

株や不動産への投資を検討する際、企業の財務諸表や不動産の価格動向を分析するための基本的な知識が必要です。簿記の知識を持つことで、投資先の財務健全性や収益性を適切に評価し、リスクを低減する判断を下すことができるようになります。

ローンやクレジットの管理

車のローンや住宅ローン、クレジットカードの支払いなど、多くの人々が日常的に債務や返済に関わる取引を行っています。簿記の知識を活用することで、これらの債務の状況を正確に把握し、返済計画を効果的に立てることができます。

大型購入時のコスト分析

車や家電、旅行などの大型購入を検討する際、総コストや将来の経済的影響を考慮する必要があります。簿記の原則に基づいて、初期費用、維持費、利息、減価償却などを詳細に計算し、最も経済的な選択をする手助けとなります。

こうしたビジネススキルの向上、キャリアアップのチャンス、そして日常生活での活用において、簿記の重要性を深く理解することは非常に価値があると言えるでしょう。