元外交官から学んだアフガニスタン現代史(1)

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 タリバーンがついにカブールを占拠し、権力掌握を果たした。米大使館の屋上に離発着するヘリの映像。国外脱出を図るために群衆が空港の滑走路を埋め尽くし、ついに米兵が空に向けて威嚇射撃をして滑走路から追い出す。今度はようやく離陸した米軍の輸送機にしがみついていた2人が落下する。そういった目を覆いたくなる光景も報道されている。連想されるのは、数十年前のサイゴン陥落、プノンペン陥落だと感じた中高年世代は少なくないはず。その世代ならモスクワ五輪がボイコットされた理由がソ連によるアフガニスタン侵攻だったことも覚えているはず。いったい、ここ半世紀にアフガニスタンでは何が起きていたのか?
 最近、大学で受けた「アフガニスタン現代史」という授業が筆者の理解に役立っている。講師は高橋博史氏という元外交官。高橋氏はキルギス日本人誘拐事件の解決に大きく貢献した、と中山恭子元ウズベキスタン大使の著書「ウズベキスタンの桜」にも登場してくる当事者である。その後も国連職員として長年当事者だった。現地で長年当事者だった元外交官の授業ゆえに有益な内容が多いので共有することにした。
 ただ読者に留意してほしいのは、高橋氏はタリバーンに好意的な方だという事だ。もしもSNS等でタリバーンに好意的な発言をする学生、最近まで学生だった方を見かけたら、高橋氏のような大学の授業を素直に信じる真面目な人なのだと察してあげてほしい。そうすることで議論を建設的に進められるだろう。筆者も学んだ事すべてを鵜呑みにするつもりはなく、検証の途中である。以下の文章はあくまでも読者がご自身で調べるためのたたき台としてお読みいただきたい。
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