同級生の見送り

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コラム
彼とは保育所の頃からのつきあいだった。

小学校、中学校と一緒
成人になってからもお互いこの地で暮らし
そして共に老境を過ごした。

地元にいる同級生10人ほどで
毎月集まってどんちゃん騒ぎをしたり
近くの温泉に一泊したりして数十年。

還暦を過ぎてから
いつの間にかその会も自然消滅したが
半年に一度くらいは集まって
昔話に花を咲かせていた。

今年の一月
食欲がないということで病院に行った時には
すでに病魔は彼の体の奥深くまで進行し
もう手遅れの状態だった。

それから三ヶ月
あっという間に彼は逝ってしまった。
棺の窓を開けてもらう。
まるで眠っているかのように穏やかな顔だった。



火葬場の炎に焼かれた彼の骨を拾い
骨壷に入れる。
人の生命はいつ尽きるかわからない。
そしてそれは
決して遠いことではない年齢になっていることを
あらためて知る一日となった。



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