透析エピソード

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コラム
透析患者様とのエピソード

80代ぐらいのおじいさんでした
歩くのもやっと🚶‍♀️
人当たりが良く終始笑顔
血管の発達が悪くいつもアザだらけ
申し訳ないと思いながら穿刺を

その時の言葉
「な〜に。先長くないからこんな腕で
 良かったら好きに使ってくれ」
「そのかわり、必ず針刺すの上手くなれよ」

今でもこの言葉は頭から離れません
そこからお互い話をするようになり
いつしか世間話までするようになりました

とある日
透析をしながら隣でTVを見ながら会話
している時
あれ?
返事がないと思いながらおじいさんを見ると
泡を吹いて真っ青に

ヤバイ

緊急返血と周りに声をかけて指示をして
返血中にシャント触るがスリルがない
血圧が下がった

我慢して俺と会話していたのでは?
話している時なんか変だった気がする
なんで気がつかなったんだ
自分を今責めてもしょうがない

今はおじいさんを助けなくては

血圧いくつ?
反応は?
医師はまだ?

罵声をばら撒いていた自分に
「うるせーなー」
おじいさんの声

大丈夫ですか?
「まだあっちにはいけん。」
と笑顔で話してくれました

もう大丈夫だなっと安心をして
血圧も徐々に回復
医師も駆けつけて診察
良かった〜

それからです
いつも
おじいさんの口癖
「お前に命を救ってもらった」

俺だけじゃないですよ
周りのスタッフや先生がいたからですよ
と声をかけると不機嫌になる
おじさんが不機嫌にならないように 
「いつもそう思っていてくれてありがとう」
と言うようになりました

そうすると笑顔になり機嫌が良くなる
おじいさんでした

今はどうなっているのかな?
と思う時がありますが風の噂では
天国に旅だったとの事を伺いました

おじいさんと出会わなければ
穿刺技術は上達出来なかったと
思います

今、訪問看護で高齢者の点滴で針を
刺しますが血管がなく毛細血管に
刺さないとらならない時があります

その時、後ろでおじいさんが
「上手く刺せよ」
と言ってくれているように思います
自分を成長させてくれた透析患者様
がたくさんいました

近い将来、現実になる事を信じて

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