『経営改善のレシピ 10 経費削減策(1)』

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コラム
利益を増やすための方策として、これまで「売上増加策」、
「原価率低減策」についてみてきました。

今回から、「経費削減策」です。
今回は、『総論』的な考え方について、ご説明します。

『損益分岐点売上高』の式に、仮の数字を当てはめて考えてみましょう。
事例
売上1,000万円 - 原価800万円 - 経費200万円 = 利益 ± 0 円
このケース、損益分岐点売上高は、1,000万円。原価率は80%です。

同じ事例で、経費を10万円削減出来たら、利益はどうなるでしょうか。
売上 1,000万円 - 原価800万円 - 経費190万円 = 利益10万円
利益が、経費を減らした分だけ、10万円増えました。

では、利益を10万円増やすためには、原価率、経費が同じだとした場合、
売上をいくら増やす必要があるでしょうか。
売上 Y - ( Y  × 80% ) - 200万円 = 利益10万円
Y = 1,050万円  ⇒ 売上を50万円増やす必要があります。

このように、「経費」は減らせば、減らした分だけ『利益』を増やします。
ただ、注意が必要なのは、売上の増加と違い、経費の削減には、限界が
あるということです。どうしても必要な経費は存在します。

また、経費削減のために、別のコストが増えてしまったのでは、
効果が減じられ、本末転倒になりかねません。

2つめのポイント。
個人企業や小規模企業では、経費の計算にあたり、
事業費と個人の生活費を一体で考える必要があるということです。

例えば、代表者の報酬を削って、企業の損益計算上は利益を出しても、
個人の生活費が足りずに、会社から代表者個人への「貸付金」等として、
資金が流れては、資金繰り(企業維持)という観点では、意味がありません。

個人でいえば、生活費やローンの返済資金まで視野に入れて、
売上・経費・利益を考えなければ、資金繰りは回っていきません。

従って、「経費の削減」を考える場合、借入の月々の返済元金や、
個人の生活費も、削減の対象として検討していくべきだと考えます。

3つめのポイントは、「どこから手を付けるか」です。
まずは、「すぐにできるところ」から。
今日にでも始められることは、すぐにやりましょう。利益に直結します。

次に手を付けるべきは、
『大きな効果が見込める費用項目』です。
金額の大きな費用ほど、削減効果が期待できます。
とはいうものの、
「実現可能性」や「手間、コスト」も考慮する必要があります。
『経費削減』は、「利益を増やすための手段」であって、
削減そのものが「目的」ではないからです。

次回は、具体的な「経費削減策」の進め方について、
ご説明したいと思います。

                       以上、富太郎でした。
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