今回から、原価率の削減策をご説明します。
前にもご説明したように、利益を増やすためには、
「売上を上げる」「原価率を下げる」「経費を削減する」
この3つの要素しかないことが、『損益分岐点売上高』の公式から
分かります。
ご承知のように、原価率は、「原価(変動費)」を「売上」で
割ったものです。
従って、原価率を下げるには、前回までお話した「売上を上げる」か、
今回からお話しする「原価を下げる」かによって、可能になります。
そして、原価を削減する方向性は、
(1) 内部だけで完結できる削減策
と
(2) 外部(仕入先、外注先等)との交渉が必要となる削減策
の2方向に分けて考えることができそうです。
まずは、取り掛かりやすい「内部削減策」から考えていきましょう。
① 無駄の削減
⇒ 小さなことまで、徹底して行うことが大切です。 例えば
〇 売れ残りの防止、売れ残りが出てしまった場合の対策
・ 緻密な販売予測のもとに、適正な仕入れを行う
→ ②により類似商品の売れ行きや、利用者の嗜好を把握する
〇 廃棄ロスの削減
・ 日々の材料調達と使用量、在庫の把握
→ ②の販売データから、使用量を標準化する
・ 受注数が少なく、利益率の低い商品の販売を中止
〇 光熱費、広告宣伝費、賃借料等の費用対効果をチェック
〇 「過剰品質」がないかチェック
→ 品質を価格に反映できているか?
② データの検証・基準の設定
⇒ 『大きなところ(「金額の大きなもの」「使用料が多いもの」)』
を中心に、『定期的』に見直します。
⇒ 原価 = 数量 × 単価 なので
「数量」と「価格」を分けて考える必要があります。
〇 データの活用
→ 商品ごとの利益率、回転率、在庫数を定期的にチェック
・ 販売強化商品の選定
・ 利益率の高い商品の仕入れ
・ 売れ筋外、利益率の低い商品の削減による、売れ残り回避
・ パート・アルバイトのシフト管理による、
流動費部分の人件費削減
〇 基準の設定
・ 商品別の利益管理
・ 在庫管理(による廃棄ロス削減)
→ 仕入量の最適化
・ 値引き処分基準の策定
③ 内製化、自社対応
⇒ 内製、外製どちらが原価率として「安く上がるか」検討します。
・ 外部に委託している費用(清掃費等)の見直し、人件費との比較
・ 受発注、配送業務の見直し
・ 内製可能商品の販売強化
等々を、自社で対応可能なところから、スピード感を持って、
従業員さんにも『コスト意識』を持たせながら、進めてください。
次回は、(2) 外部(仕入先、外注先等)との交渉が必要となる削減策
について、ご説明します。
以上、富太郎でした。