自閉症とか知的障がいとか

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コラム
仕事で、主に知的障がいや自閉症の若者(20代)と関わる毎日を過ごしています。

強い行動障害を持っている方も沢山いて
どれだけ注意を払っていても、全力で走って追いかけなければならなかったり
時には怖い顔で叱らなければならない(とはいっても、言葉の理解度によって)時もあります。

私は、強度行動障害支援者養成研修基礎・実践の資格を持っているのですが
その講習でやったワークで、ひとつ「絶対に忘れてはいけないな」と思うことがあります。

テレビとラジオを同時に大音量で流した騒がしい部屋の中で
両手に軍手を重ね履きして、口頭の指示だけで折り紙を折るのです。

いつもは、簡単に折れてしまう折り紙ですが
口頭での指示なので先が読めません。
軍手のせいで全然うまく折れません。

指示をよく聞きたくても
部屋が騒がしくてよく聞き取れない。

非常に、イライラします。

目的がわからず、ただやれと言われることや
集中できない環境に対して。

そのワークをやった感想は
「難しいし、疲れた」の一言です。

そのワークをやった後に講師が言いました。
「これは、主に自閉症や知的障がいのある方が感じている世界のほんの入り口です」と。その人にとって不適切な環境や事象が重なることで、強度行動障害の原因になる、ということを学ぶためのワークだったのです。

行き詰った時に、必ず思い出し初心に帰るようにしています。


その個人によって、感覚の感じ方がまるで違います。
同じ「自閉症」という診断名で、知的なレベルが似ていても
手をつなぐことが大好きな子もいるし
逆に触れられることが嫌いな子もいる。

犬が苦手な子が多いのに大好きな子もいる。

そして支援する側も
それを「興味深い」と思う人もいれば
そう思わない人もいる。

興味深いと思うポイントが違うこともよくある。

障がい者支援という職に身を置いていますが
いままでしたどんな勉強よりも
「不思議」を感じるし
もっと知りたいと思ってしまいます。

ただ、私は「支援者」だからそう思うのであって
毎日一緒に暮らしているご家族の苦しさを感じることもあります。

給食が食べられず、毎日、決まったメニューのお弁当だったり
飲めるものが固定されていたり、着られる洋服の材質や色が決まっていたり
昼夜逆転だったり、アトピーがあっても塗り薬を付けることが難しかったり
気に入らないことがあるとクローゼットに閉じこもって出てこないとか。

上にあげたことは、ほんの一部。

本当に、ほんの一部。

支援する側は、「誰に対しての誠心誠意か」を考えることが必要だと言われています。その優しさは、誰のためなのか考えよ、と。

靴下を履きたくないと座り込んでしまう。
自分で履けるように声掛けしたり環境を整えたりして、時間をかけてでも自分でやらせるのか、「今日はいいよ」と許してしまうのか、「しょうがないなぁ」と支援者が履かせてしまうのか。

靴下に限らずですが、この子の将来のために何が適切か
なぞなぞをしながら、毎日仕事をしている日々です。











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