「絆の証―自動車整備工が見た、命と優しさの絶妙な融合 パート7」

動物病院は、あの岸壁から一番近い病院を探して行ったので義男の自宅から遠かった。

しかし、整備工の仕事が終わると毎日猫ちゃんの様子を見に通っていた。

距離は60キロ位離れているが、カローラスポーツハイブリッド車はそんな距離なんて、ものともしないで快適に目的地に到着してくれる。

義男はこの車をチョイスした事に満足だった。

日に日に三毛猫赤ちゃんは元気になって来た。

傷は癒えて毛並みが綺麗になってきた。

眼の周りは腫れて開ける事ができなかった眼も、今は綺麗な瞳を見開いている。うなだれていた首をもたげて元気に哺乳瓶からミルクを飲んでいる。

入院してから16日めに獣医先生から

獣医: こんにちは、義男さん。お待たせしました。猫ちゃんの治療が終了し、退院の準備が整いましたので、治療の経過と退院についてお話ししましょうね。

義男: ありがとうございます。猫ちゃんの具体的な治療の経過はどうだったんですか？

獣医: 猫ちゃんの治療は順調に進んできました。投薬治療により、感染症の症状が改善され、猫ちゃんの免疫力も回復しました。また、定期的な検査を行い、状態の経過を確認しながら治療を進めてきました。

義男: それは良かったです。猫ちゃんは今どのような状態ですか？

獣医: 現在、猫ちゃんの状態は安定しており、元気になっています。症状はほとんど見られず、食欲も回復しています。治療の効果が確認されたため、退院の準備ができました。

義男: それは嬉しいです。退院時に特別なケアや注意点はありますか？

獣医: 退院時には、猫ちゃんが安心して過ごせる環境を整えることが大切です。静かで落ち着いた場所を用意し、十分な休息を取れるようにしてください。また、退院時には、猫ちゃんのために必要な薬の投与方法やスケジュールについて詳しくお伝えしすので、正確に守ってください。

義男: わかりました。退院後の予防接種や定期的な通院は必要ですか？

獣医: はい、退院後も定期的な予防接種と通院が必要です。予防接種は猫ちゃんの免疫力を保つために重要ですし、通院によって猫ちゃんの健康状態をモニタリングできます。詳しいスケジュールや予約については、退院時にお知らせします。

と獣医先生から義男は説明を受けた。

今晩まで入院していて明日猫ちゃんを迎えに来てくださいと言われた。

義男は三毛猫赤ちゃんが元気になった事は非常に嬉しいが、一体幾ら治療費を払う事になるのだろうと不安だった。

帰り際に受付の人から、今回の入院費及び治療費の全額が記入してありますので眼を通して明日、清算をお願いしますと言って茶封筒を手渡された。

義男は自宅に戻ってから、恐る恐る茶封筒の中に入っている書類を見た。一番上に合計金額が記してある。それを見た瞬間に義男はギョっとなった。

48万9千円也と書いて有ったのだ。

ゲッ！義男の眼は、しばらく48万9千円の文字から視線を離す事はできなかった。

うわー！もの凄い金額だ。

カローラを買う為に貯めていたお金は全部頭金に支払ったから今残高は限りなくゼロに近い。

次の給料を貰ったところが迚４８万９千円と言うお金は揃える事はできない。

その時に義男の頭に、余計な事をするんじゃなかったのかと瞬間的だが後悔に似た感情が湧き上って来た。

しかし、義男は断然と俺は正しい！と自分に喝をいれた。

その時に義男は自分はカードを持って居る事を思い出した。

義男はカードで物を買うのが嫌いな為に使っていなかったのですっかりカードの存在を忘れていた。

一年位前、職場にカードを作りませんかとファイナンスの営業マンが来た時に作っていた物だ。

断ったが、今作るとタラバカニを三匹プレゼントのキャンペーン期間中ですと言ったので作ったのだった。

そうだ、カードで支払おうと思った。義男は一先ず安心した。

義男から一言

最後まで読んでくれて有難う

星に祈ったかいがあった

パート１から読んでね(^^♪