【博多祇園山笠 2023】祭りの見どころとスケジュール、楽しみ方完全ガイド

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「博多祇園山笠」とは?

「博多祇園山笠」は櫛田神社の奉納神事。その起源については諸説ありますが、鎌倉時代の仁治2年(1241)に博多に疫病が流行した時に、承天寺の開祖である聖一国師が祈祷水を撒いて町を清めて、疫病退散を祈願したことが始まりといわれています。

当初は高さ15mにも及ぶ山笠を担いでいたのですが、明治時代に電線が張り巡らされるようになると、山笠が電線に引っ掛って切断することが多くなりました。そこでそれまでの山笠を観賞目的の「飾り山笠」として残して、別途、高さを抑えた「舁き山笠」を作って担ぐようになり。現在に至っています。

「博多祇園山笠」は国の重要無形民俗文化財に指定されていて、ユネスコ無形文化遺産にも登録されています。

「飾り山笠」と「舁き山笠」

時代の要請に応じて分けられるようになった博多の町を駆け抜ける「舁き山」と、豪華絢爛な「飾り山」。現在はきれいに区別されていて「動の山笠」「静の山笠」としてそれぞれの魅力を伝えています。

「舁き山笠」とは
「舁き山笠」は古来の山笠に比べて、高さは半分ほどですが、それでも総重量は1トンを超えます。現在「舁き山笠」を引くのは千代流・恵比須流・土居流・大黒流 ・東流・中洲流・西流の7つの流。流とは十数か町(旧町)を束ねた組織の呼称。奇数の七は縁起がいいとされ、流も七つと決められています。

山笠の土台である「山笠台」は釘を一本も使わず、麻縄と部材のみで組み上げられています。舁き山に飾られる人形はその年の「流の顔」。熟練した人形師が丹精を込めて作り上げます。

「飾り山笠」とは
「飾り山笠」も「舁き山笠」と同じく、山笠の土台である「山笠台」は釘を一本も使わず、麻縄と部材のみで組み上げられています。高さは13mに及び、華やかな装飾で彩られています。現在は福岡市内の14ヶ所で観賞することができます。

「飾り山笠」には表と裏で飾り付けのテーマが異なっています。表は、飾りの表題は古くからの逸話や歴史上の人物、博多に由来のある偉人や縁起の良いとされる題材などが多いのですが、近年は人気ドラマやアニメなどを題材にした表題を取り入れることも多くなっています。裏の飾り付けは「見送り」といわれていて、アニメのキャラクターが用いられたりします。

「飾り山笠」は、祭り期間が終わると取り壊されてしまいますが、櫛田神社の境内と川端商店街内の川端ぜんざい広場には「飾り山笠」が常設されており、祭り期間以外でも見ることができます。


「博多祇園山笠」のスケジュール

7月15日の「追い山」に注目が集まりがちですが、「博多祇園山笠」は7月1日から行われます。15日の「追い山」まで次のような行事が行われます。

7月1日 注連(しめ)下ろし
祭り初日に舁き山笠の流区域を清めます。町の角々に笹竹を立て、注連縄を張り、竹で作った御幣を添えます。櫛田神社の神官が祝詞をあげて、期間中の安全を祈願します。

7月1日 ご神入れ
山笠に神を招き入れる神事。福岡市内の14か所に設けられている「飾り山笠」が先行します。櫛田神社の神官がスケジュールに沿って各山笠を回って催行します。これが済むと、山笠は一般に公開され、博多の町は祭り一色になります。

7月1日 当番町お汐井(しおい)とり
その年の各流の当番長になった町の人たちが、一足先に箱崎浜まで駆けて行き、汐井(真砂)を小さな升やテボ(竹ヒゴで編んだか ご)に入れて持ち帰ります。

7月9日 全流お汐井とり
各流の舁き手が午後6時から7時過ぎにかけて箱崎浜に到着し、沈む夕日に柏手を打って安全を祈願します。帰路は筥崎宮、櫛田神社に参拝します。

7月10日、14日 流舁き
それぞれの流区域内を「舁き山笠」で巡行します。コースも年によって異なり公式発表も行なわないので、事前に流関係者に問い合わせて確認する必要があります。細い路地まで舁き入れます。14日の「流舁き」は15日の本番前の最後の予行演習。若手の人は経験を積む最後のチャンスで、「追い山」に向けた最終調整の意味合いも含んでいます。

7月11日 朝山
早朝に町総代や旧役員を呼んで接待するところから祝儀山とも呼ばれます。招かれた総代らは帷子(かたびら)に角帯を締めて出席、台上がりは白麻の半纏(はんてん)を着用するのが慣わし。また、当番町の子供たちもこの日だけは山笠の「杉壁」内に乗せてもらえます。

7月11日 他流舁き
自分の流域外に出て他の流の流域に舁き入れます。これは、お互いに敬意を表す「陣中見舞い」的な意味合いが込められた行事で、いろいろな他の流の舁き山を見ることが出来る絶好の機会。流れによっては櫛田神社に舁き入れて「櫛田入り」の練習をする流もあります。

7月12日 追い山ならし
7月15日の追い山笠のリハーサルです。一番山笠から順次「櫛田入り」して奈良屋町角の廻り止めまでの約4kmのコースを全力で舁きます。一番山笠は追い山笠の時と同じように、「櫛田入り」の際、山笠を止めて「博多祝い唄」を歌う事が認められています。

7月13日 集団山見せ
商人町・博多で生まれた山笠が唯一、城下町・福岡に舁き入れる行事です。各流が呉服町交差点(博多区)をスタートし、「明治通り」を通って福岡市役所(中央区天神)で折り返し、冷泉公園(博多区上川端町)まで舁きます。福岡市長をはじめ、地元の知名士が台上がりを務め、棒さばき役の各流総務ともども舁き手を叱咤激励します。

7月15日 追い山
いよいよクライマックスの「追い山」当日。午前4時59分の大太鼓の合図とともに一番山笠から順に「櫛田入り」します。その後、境内を出て旧博多部に設けられた約5kmの「追い山笠コース」を須崎町の廻り止め(ゴール)を目指して懸命に舁きます。櫛田神社の能舞台では午前6時から荒ぶる神様に捧げる鎮めの能が演じられます。

まとめ
「博多祇園山笠」の見どころを紹介しました。2023年は「追い山」がある7月15日が土曜日。17日が「海の日」にあたって祝日なので、混雑も予想されます。「追い山」を目当てに福岡に行くときは早めにホテルを予約したほうが安心です。「飾り山笠」の見物も「博多祇園山笠」の楽しみの一つです。

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