TRIZ原理を活用したITサービスの革新:「分離」を利用した新たな視点(2)

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ビジネス・マーケティング
今回はTRIZの発明原理「分離」を用いて新しいITサービスのアイデアを探求してみましょう。「分離」原理は、システムが提供している複数の機能のうち一つ以上が、特定の条件下では必要とされない場合、それらの機能を分離または分離可能に設計するという考え方です。それでは、この原理をITサービスに適用した場合、どのような新しいサービスが生まれるのでしょうか?

1. コンテキストに応じた機能のアクティベーション
一つ目の例として、ユーザーの現在のコンテキスト(例えば、位置情報、時間帯、使用デバイスなど)に応じて必要な機能だけが有効化されるITサービスが考えられます。例えば、スマートフォンのバッテリーが低下した時、電池消費の大きい機能が自動的に無効化され、必要最小限の機能だけが動作するようになるアプリケーションなどです。これにより、ユーザーはバッテリー残量を気にすることなくサービスを使用することができます。

2. モード切替型サービス
「分離」原理を用いると、機能が必要とされる具体的な状況に応じて、それらの機能を有効化・無効化する"モード"を設けることが可能です。例えば、ビデオ会議ツールには、「プレゼンテーションモード」、「ディスカッションモード」、「サイレントモード」など、各シーンに応じた最適な機能を提供するモードを用意することができます。これにより、ユーザーは必要な機能だけを使うことができ、使いやすさと効率性が向上します。

3. カスタマイズ可能なサービス
ユーザー自身が必要な機能を選択し、不要な機能を分離・無効化できるカスタマイズ可能なサービスも、「分離」原理の適用例と言えます。例えば、一部のユーザーが特定の高度な機能を使用したい場合でも、他のユーザーにとってはそれらの機能は混乱を招く可能性があります。そうした場合、各ユーザーが自身のニーズに合わせて機能を有効化・無効化できるサービスを提供することで、全てのユーザーにとって使いやすいサービスを提供できます。

TRIZの「分離」原理をITサービスの開発に活用することで、様々な状況やユーザーのニーズに応じて機能を適切に有効化・無効化することが可能となり、より使いやすく、効率的なサービスを提供することができます。皆さんもこの原理を活用して新たなITサービスのアイデアを創出してみてはいかがでしょうか?
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