「短期の楽観、長期の悲観」は滅びの構図!?

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「短期の楽観、長期の悲観は滅びの構図」というのは文明論(「国民の文明史)中西輝政著、産経新聞社)の中で出てくる言葉でありますが、私はこのことは、今日のビジネスパーソンにもあてはまるのではないかと思います。

「短期の楽観」とは、例えば今の企業の中ではそれなりに満足しているけれど、今後将来のこととなると不安に感じるというような状態です。会社の業績も今はいいけれど今後はわからないと思える場合です。「なあに、これまでもずっとこの繰り返しでやって来たさ」という方はよほど運の良い方だったのでしょう。

経営者側のスタンスも変わってきています。つい先日行われた経済同友会の夏季セミナーで「45歳定年制にして個人は会社に頼らない仕組みが必要だ」という意見が出ていたそうです。これまでと同じ過去が未来も続くとは限りません。

企業の寿命説は、約30年とか23.5年とか言われていますが、このような企業のライフサイクルにあって、企業内の多くのビジネスパーソンが「短期の楽観、長期の悲観」状態を日々感じているとすれば、ライフサイクルでいうところの「衰退期」に突入しているのかもしれません。

むしろ逆の「短期の悲観、長期の楽観」であることがより望ましいと言えると思います。そして、このことはビジネスパーソンにあってもまったく同様であると考えます。

会社そのものは個人ではどうしようもないことですが、自分ひとりならば、やりようがあるはずです。今は「悲観」の中にいても、コツコツと努力を積み重ねていくことで「長期の楽観」は見えてくると思います。

どうすればいいのでしょうか。

それにはやはり「長期の楽観」につながっていくような行動をしていくことが肝要です。

 たまたま昨日、私が主催する「オンリーワンコンサルタント養成アカデミー」の卒業メンバーによる「プレゼン発表会」が行われました。自分を「表現」できる「場」を仲間と共に作り、自らの知識に「磨き」をかけようという考え方、年齢を問わず常に学ぶことを止めないという姿勢に強く共感を覚えました。

日本の企業では、人事制度の基本を、一斉に新卒採用し、一斉に教育研修を行って企業内のどこに配属されても通用するオールラウンドなビジネスパーソンを育てることに軸足を置いています。

 したがって、自分が新卒で入社した企業が、居心地が良いと感じたならば、そのままその企業で生涯を送っていくこともできるのです。

 しかし、ここで「落とし穴」があります。

 人間は弱いものです。居心地が良いところでは安心してしまい、緊張感を持続させることができずに油断してしまうものです。若いころは一生懸命に勉強していてもミドルになるといつの間にか日々の業務に追われて行わなくなってしまうものです。

 そして、会社の引いたエスカレーターにそのまま乗っかっていくことになります。学生時代にあれだけ勉強や研究していたという人であっても、動くエスカレーターに乗ってしまえば、自ら歩くことなく楽して連れて行ってもらえます。敢えて自らを切磋琢磨に追い込むこともなく過ごしてしまうものです。

昔であれば、これでも安泰に一生を送ることが可能でした。ところが今日では、ご承知の通り大きく変化してしまいました。ビジネスパーソンを取り巻く環境は様変わりしてしまい会社も自分自身も、これから先どうなっていくのかがよく見えない時代へと突入しています。

このような時代にあっては、一体どうすれば良いのでしょうか。

誰しもつらいことや面倒なことは嫌なものです。私自身も同じです。
しかし、こんな時期であっても、常に気を抜かずに、見えない将来をなんとか見通せないかと考えるビジネスパーソンならば、その気になればいつでも自身を「再起動」させていく術はあるはずです。

 自らを「再起動」する方法、その方法は、根本は「学び直し」にあると思います。

今の時代、年代を問わず、何かを学ぼうと思えば方法はいくらでもあります。そのような学べる場で、自身の得意分野をさらにブラッシュアップさせても良いですし、関連分野を開拓していっても良いでしょう。さらには、新たな興味関心の湧く方角を、この際探索しても良いのです。

自分が「学び直し」するのならば、「これだ!」というものを、まずは見つけていくことが、すなわち、混とんとしたこれからの未来をしっかり生きていく上での強力な「推進エンジン」となると思います。

 事情は私の場合もまったく同様であります。脳細胞が劣化していくことを肌感覚で感じることも多い今日、まずは、過去に読んだ書籍を興味のままに再読することを始めました。すると、「完全に忘れている」ということが判明し、その度毎に愕然としています。

寿命が伸びることによって現役でいなければならない期間も確実に延びていくに違いありません。

まずはできるところから「学び直し」を始めていかれてはいかがでしょう。そして、ご自分を「再起動」させていただきたいと思います。

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