公開された特許出願の特許審査着手見通し時期照会とは

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コラム
 JplatPatデータベースを用いて、特許出願の先行特許調査をしていたとき、見つけました。以下、特許庁ホームページを引用します。
 特許審査着手見通し時期照会は、出願人及び代理人のより適切な権利取得に向けて、出願人・代理人ごとの審査未着手出願(公開前の出願を除く)の着手見通し時期を、庁ホームページを通じて提供するものです。
 近々着手見通しの出願については、出願の権利化の必要性等につき御確認いただき、必要に応じて早期審査制度や面接審査制度、情報提供制度の利用を御検討いただくとともに、権利化の必要がなくなった出願がございましたら、審査請求料返還制度を利用いただくことをお勧めいたします。
 提供する着手見通し時期の情報は、あくまでも着手時期の目安を示すものであって、着手時期を保証するものではございません。着手見通し時期は年4回、見直させていいただいていますが、審査の進捗状況によっては着手見通し時期と異なる時期に着手される出願もございます。予め御了承の上で御活用ください。
 提供データは2024年4月5日時点での公開済みの出願で、かつ、2024年4月5日時点での審査未着手出願の案件について、着手時期の目安をお知らせしております。 
 公開された特許出願で、審査請求がなされている特許出願の「特許審査着手見通し時期照会」データを確認することにより、特許審査着手予定が分かります。
 具体的な特許出願番号や特許出願公開番号が分かれば、特許審査着手時期が予測できます。
 例えば、JplatPatデータベースで審査経過を見ますと、「出願審査請求書」提出まで確認できても、拒絶理由通知が出ていないと、その後の審査経過は確認できません。
 特許庁のホームページのサイト内検索を実施し、「特許審査着手見通し時期照会」のキーワード検索で、リンク記事が出ますので、詳細データの確認ができます。
 このページを見つけたきっかけは、先行特許調査をしていて、おかしな請求項で出願審査請求をしている特許事務所があったからです。
 請求項1の内容が、「本明細書に記載の発明。」のみの記載です。明らかに特許制度の趣旨に反しています。
 JplatPatデータベースにおいて、「請求の範囲」の項目を指定し、「本明細書に記載の発明」のキーワード検索を指定したところ、2540件ヒット(5/17検索実施)しました。ものすごい件数です。
 たまたま、自分の発見した特許出願は、1件でしたが、これほどおかしな審査請求をしているとは思いませんでした。
 なお、審査請求後1年以上経過し、審査結果が気になっていた特許出願で、特許審査着手見通し時期照会のデータを確認し、特許出願の審査着手時期が近いことが確認できました。
 特許審査着手見通し時期照会情報は、特許出願の戦略的な権利化や他社の調査結果に表れない審査状況の予測確認に使用できると考え、紹介しました。
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