成熟マーケットの時代

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ビジネス・マーケティング
成熟しているマーケットに何を切り込むか、
現代多くの人々にとってある程度我慢を強いられてもいるが基本的な商品、生活必需品などはすでにいきわたっており新商品の入り込むジャンルが小さくなっています。とはいうものの人間の持つ好奇心や欲望には限りがなく何かを求めている事は間違いはないのです。
 要は、欲しいものが何かを見つけられていないという状態が今なのでしょう。
10年ほど前の話ですが小生はある食堂の活性化に関しての仕事を請け負ったことがありました。それは人口1万人にも満たない県境のドライブインもどきの食堂で店の駐車場には職業ドライバーの方たちのバンやトラックが止まっていて、店内はその男性たちでまあ賑わってはいたのですが、オーナーによるとここ5年間ずっと前年対比5%ダウンが続いていているとのことでしたが5年続いているという事は5年前と比べて売上が75%になっているという事なのです。
ということで損益分岐点売上をそろそろ割るところまで来ていました。
 立地環境としては競合する店舗は15キロ先にあるレジャー施設の中のレストランぐらいしか考えにくく、何しろ県境の山の中に位置するものですから今後競合店が増える要素もありません、とにかくこの場所でのやり方をいかに変更するかがポイントだと考えました。
 まず、基礎調査の立地編ですが店舗前の道は一応国道であり一日の走行台数もかなりの数の車両を誇っていました。
 しかし、職業用の車両がほとんどであり毎日同じ車が走っているにすぎないという事がわかりました。という事は一日500台通っても市場規模としては500人程度になるわけです。これが種々雑多のファミリーカーや軽自動車などが混じっての台数であれば同じ500台でも×日数(職業以外の車だと毎日はとおりませんから)分の市場が計算されるわけです。つまり市場の拡大傾向が生まれるという事です。

しかし、現実は500台の職業車両ということですから、この市場拡大の計画は難しいという結論を得ました
次に、基礎調査の商品編ですが、小生及び調査モニターの方たちからの意見として商品の機能的な要素、つまり味に関してはクオリティが高いという事になったのですが何しろメニュー数が多く100以上はあるのですがメニューも勝手に増えてきたという感じで何が売りなのか不明確でした。
現在は職業男性のための食堂であり ある時は焼きめし、スパゲティであったりハンバーグであったりという具合で特徴を感じさせるものではなかったのです。結論は、商品の絞り込みをすることで専門性を訴求することとしました、その為の武器として「ハンバーグ」を選んだのです。
 ハンバーグを主力にしソース選択肢の拡大とトッピングで品目を増やすことにして商品戦略として位置付けました。このことに伴い全品50以下のメニュー数になりました。目指すはハンバーグ関連メニューで全体の50%の売上を稼ぎだすことを目標としました。
 新しい客層の開拓のために店内の装飾、ユニフォームの見直し、メニューブック等雑貨屋さんのような雰囲気づくりを実施しました。店舗外観からイメージして「アンティーク」をキーワードに整えていきました。これらの施策によってまず起きた現象は従来顧客の店離れに伴う客数減。しかし確実に女性客との入れ替わりを感じながら100日で女性80%の客層変化、客単価の30%up地域市場で潜在していた女性顧客の人気獲得で前年同月比50%の売上の伸びを記録。大がかりな宣伝なしで口コミだけの成果でした。ただ、販促物として考えたのはこの地域の歴史的背景を記載したランチョンマット・・筆文字と地域風景のスケッチをいれたもののシリーズ化・・・を持ち帰ってもらおうと企画したものです。
 口コミが期待できる女性客をいかに獲得するかがこの活性化戦略の骨子だったのですが何よりオーナーの料理に対する取り組み方に一日の長があったことは否めません。
 今回はいかにデザインという土俵まで顧客を引っ張り込んだかという会話でした。
 今回のお店は今現在海外を含めて10店舗になっています。


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