あなたは「コピーライティング」と聞いてどのようなイメージを思い浮かべますか?
・テレビや広告に使われるキャッチコピー
・なが〜い、商品販売の怪しいランディングページ(LP)
・人に商品やサービスを売るための広告文
など、様々なイメージを持っていると思います。
私が持っている「コピーライティング」のイメージを言葉にすると、
「伝えたい主張を、伝えたい読者に、適切に伝える文章スキル」
になります。
そして画像にすると、このようなイメージを持っています。
そこで今回は「従来のコピーライティングと現代のコピーライティング」と題して、
「現代のコピーライティング」の概念を
・歴史的経緯
・言葉の定義
・ネットビジネス
の3つの観点から「従来のコピーライティング」と比較しながら説明しようと思います。
なぜコピーライティングの概念を説明するかというと、
コピーライティングというもののイメージや概念を持っておかなければ、コピーライティングについて何を言っているか理解できないことがありますし、内容を誤解して読んでしまうこともあります。
また、サービスを購入するときにコピーライティングのイメージや概念がないことで、出品者とのコミュニケーションが上手くいかないなどのトラブルになり得るからです。
つまり、この記事を読むことで、あなたは私がイメージしている「コピーライティング」のイメージや概念を深く理解することでしょう。
歴史的経緯
コピーライティングの歴史は長く、約100年前のアメリカから始まりました。その100年間に人間社会の環境は大きく変わりましたよね。
例えば、情報の伝達手段一つとっても、昔は新聞や本のような紙媒体に書いてある文字情報が主流でした。
しかし、ラジオによって音による広範囲でスピーディーな情報伝達が可能になり、テレビの出現によってその形が文字や音から映像(画像と音と文字)になりました。
このように、時間の経過によって様々なことが変化しますが、「コピーライティング」も例外ではありません。
100年前、最初にコピーライティングを研究する目的は「顧客に商品やサービスを売る」ということでした。これが、「従来のコピーライティング」です。今では「セールスライティング」とも呼ばれています。
つまり「従来のコピーライティング」とは「セールスライティング」のことであり、「顧客に商品・サービスを売るための文章スキル」のことでもあります。
一方で、「現代のコピーライティング」は「セールスライティング」よりもさらに範囲が広くなっています。
例えば、寄付を募るための文章だったり、テレビ通販番組の脚本だったり、ブログ記事だったりするのです。
すなわち、最初は「商品やサービスを売る」目的だけだったものが、一般化され目的が多様化したのです。
簡単に言えば、セールスライティングのスキルを応用することで、色んな分野で有効だということです。
では、なぜ「コピーライティング」の適応範囲が大きくなったのでしょうか?
それは、「コピーライティング」が持つ特徴にあります。具体的には「伝えたい主張を、伝えたい読者に、適切に伝える」特徴を「コピーライティング」は持っているのです。
そのため、「現代のコピーライティング」は「伝えたい主張を、伝えたい読者に、適切に伝える文章スキル」と定義することができます。
また、ネットのブログなどの記事を読んでみると、「コピーライティング」と「セールスライティング」がごちゃごちゃに使われており、
コピーライティングに関する記事を読む時には、「コピーライティング」のことを言っているのか、それとも「セールスライティング」のことを言っているのか、を読者が文脈から判断しなければならないのです。
そこで、このブログでは「現代のコピーライティング」のことは、単に「コピーライティング」、「従来のコピーライティング」は「セールスライティング」と、明確に分けて使うことにします。
言葉の定義
次に「言葉の定義」からコピーライティングを見てみようと思いますが、なぜ「言葉の定義」が大切かというと、
「私たちが認識している世界を規定しているのは言語(言葉)」
だからです。
このことは、認知科学者のレラ・ボロディツキーさんがTEDで発表した "How language shapes the way we think." (邦題:言語はいかに我々の考えを形作るのか)で語られていることで、「使う言語によってものの見方が変わる」ことを様々な例をあげて説明しています。
詳しくはYouTubeの動画があるので、そちらを見ていただくとしましょう。
では、言葉の定義という観点から「コピーライティング」について書いていきます。
「コピーライティング」という言葉はもちろん「Copywriting」という英語です。そして、これは「Copy」と「Writing」に分けることができます。
「Writng」は文字通り「書くこと」という意味ですが、分かりづらいのは「Copy」の方だと思います。
そこで、「Copy」という単語をCambridge Dictionaryというネット辞書で調べてみると、数ある説明の中の一つに次のような説明がされていました。
copy (noun)
text that is to be printed, or text that is used to sell a product
日本語に訳してみると、
コピー(名詞)
印刷される文章、または商品を売るための文章
となります。
これから分かることは、
元々「コピー」という言葉には、「本や印刷物で使われる文章」と「広告や商品パッケージなどに書かれる売るための文章」の二つの意味を持っており、
「従来のコピーライティング」、すなわち「セールスライティング」は、「商品を売るための文章」のニュアンスが特に強かったということです。
他方、「現代のコピーライティング」は、より広い概念の「印刷される文章」のニュアンスが強くなってきているということです。
意味やニュアンスが明確に違ってくれば、違いを区別するため言葉も変化するので、現在では「商品を売るための文章」は「セールスライティング」と言い、それより概念の広いものを「コピーライティング」と言っているのです。
ネットビジネス
ネットビジネスにおいて、LP(ランディングページ)やホームページに書く文章によって、読者や顧客の反応は大きく影響されます。
今やLPやホームページは世界規模で考えれば、星の数あるといっても良いほど多く、そのLPやホームページには必ずと言って良いほどコピーライティングが使われています。
そのため、ネットビジネスをする人の多くが「コピーライティング」の重要性を認識しており、コピーライティングを勉強しているような状態です。
そして、日本のネットビジネス界に以前かなりの影響を与えた「ネットビジネス大百科」で、「コピーライティング」のパートを担当したのが木坂健宣さんという方です。
その木坂さんが行なっている「リーダーのためのコピーライティング講座」の中で、
「文章を書くことは必ず誤解を生みます。しかし、自分の主張を人に適切に伝わる文章を書けるようになるような講座にしたいんだ。」
という趣旨の発言をされています。
その言葉から、私のコピーライティングの定義が「伝えたい主張を、伝えたい読者に、適切に伝える文章スキル」になったというわけです。
木坂さんの講座内容も「ネットビジネス大百科」の時は、純粋な「セールスライティング」だったのが、「リーダーのためのコピーライティング講座」では、「コミュニティーのリーダーになるためのコピーライティング」という内容に変わっています。
このことからも、今では「コピーライティング」は「セールスライティング」の範囲に収まらず拡大適応されていることがわかります。
以上見てきたように、
セールスライティングから始まったコピーライティングですが、今ではセールスライティングに留まらず様々な分野で使用されるようになっています。
それは、コピーライティングの「伝えたい主張を、伝えたい読者に、適切に伝える」という特徴があるからで、ほとんどの文章に使えるスキルではないでしょうか。
その証拠に、文章を言葉で口から発すればセミナーや演説・授業などに使えますし、テレビ通販は昔からセールスライティングを利用しています。
すなわち、形は変わってもコピーライティングは有効だということですね。