ヴァイオリンを手に、アマチュアオーケストラで20年近く演奏しています。
楽器を始めたのは中学生のときで、いわゆるレイトスターターです。
これまでに、ベートーヴェン、ブラームス、チャイコフスキー、ブルックナーなど 主要な作曲家のシンフォニーをほぼ全て演奏してきました。
そんな中で、オーケストラで使えるテクニック、裏ワザをいくつか編み出しました。
大人になってから楽器を始め、オーケストラで演奏したいという熱意をお持ちの方に、少しでもお役に立てればと思い、このテキストを作成するに至りました。
私が初めてオーケストラに参加したのは、中学3年のときで、地元のジュニアオーケストラの演奏会を聴きに行ったのがきっかけでした。 それまで基本的に一人で弾いていたのですが、何となく飽きてしまい、あまり練習しない日々が続いていました。
しかし、あの舞台の上で弾きたい!と強烈な感動を覚え、オーディションを受け、無事入団の運びとなりました。
ところが!
ヴァイオリンを始めて2年しか経っていませんでしたので、物心ついたときから楽器を手にしている メンバーとは、比較にならないほど下手だったのです。
自分より年下の団員がスラスラと弾いているのを見て、少なからずコンプレックスを感じました。
本番は基本的に暗譜という形で乗り切ったのですが、受験などで忙しくなるとそんな方法が続くはずも無く、伸び悩む時期が続きました。
その後大学に入り、自分の演奏を分析したり、音楽以外の勉強をしたりすることで、オーケストラの演奏にも効率のよい方法が存在するはずだと思うようになりました。
オーケストラで演奏するには、楽器を演奏する技術とは別に、オーケストラ特有のテクニックが必要です。
曲にもよりますが、技術的に弾けないというよりも、リズムが複雑で理解できない、他のパートと合わないという問題のほうが多いです。
また、実際に音を出す時間よりも、座って出番を待っている時間のほうが長いこともあります。
いくら演奏技術が優れていても、自分の出るところを間違えると、音楽を壊してしまいます。
加えて、アマチュア奏者は勉強、仕事、家事の合間に練習しなければならないという時間的制約があります。
したがって、楽器の演奏技術以外の要素を速やかに解決し、技術的に弾けない部分に時間をあてることが求められます。