『電話相談は事前にメッセージにてご連絡してください』
Eメールは便利ですね。
子どもを育てるには、こんな便利なものはありません。
小・中学生の子どもに何か変化があったら、Eメールを送る。
「お父さんはいつもユーちゃんの味方だよ」
今ならLINEがあるから、もっと便利だ。
次女は中学校に入るとかなり反抗的になった。
親にはもちろん、学校でも先生には反抗していたようだった。
小学校卒業までは本当に良い子で、学校で問題を起こすなど考えたこともありませんでした。
ある日、娘がぶっきらぼうに言ってきた。
「明日、私の学校へ行って」
担任の先生によると仲間3人で図書室の図鑑から、写真を一枚ハサミで切り取ってしまったのだという。
夏休みの課題を提出できずにいた友人を手伝っていたが、図鑑から花の写真を図鑑一枚失敬してしまったのだ。
「あまりにもアッケラカンとしていて、何を考えているのか」
担任の先生も娘には戸惑っているようだった。
全く関係のない音楽の女教師まで面談室を覗いて「ちょっと、ひどいですよ」
と言いに来るくらいだから、娘の反抗的態度は教師間で有名だったのだろう。
私がお詫びして、その件は何とか収まった。
他の二人は親に言い出せず、学校との連絡が遅れたようだった。
それから1ヶ月ほどして、私は娘の携帯にEメールを送った。
「お父さんは、いつでもユウカの味方だよ」
その後、特に二人の間で会話が多くなったわけではないが、娘の言動から棘がなくなっていくのは分かった。
高校はかなり規律の厳しい女子高に進学した。
1年生の夏休み直前、携帯に娘から連絡が入った。
「明日、学校へ来て」
髪を薄く染めたのが発覚して、担任から親と一諸に学校へ来るように言われたのだ。
普段は母親だが、肝心な時はこちらに出番が回ってくる。
担任によると娘は、やはり反抗的らしかった。
「そんなにいやだったら、学校辞めなよ」
先生の前でそう言うと
「いやだ!」
学校をやめる気はないことが分かった。
私は担任の先生に手紙を書いた。
娘に課された夏休みの懲罰は取り消しになった。
成長期の子どもは、親と話さないのが当たり前。
Eメールや手紙は子育てには、かなり有効です。
むやみに叱るだけではダメ。
愛情はいつか必ず通ずる。
娘は誰にでも気遣いができる大人になりました、お陰様で。
メールやLINEは短い文章で自分の気持ちを伝えるのには最適です。
率直な気持ちを文字にするだけでいいのです。
親子ですから、必ずあなたの気持ちは子どもさんいに伝わります。
この時注意すべきは、子どもさんからの反応を期待しないこと。
成長期、反抗期の子どもはシャイで微妙な心理を持ち合わせています。
子どもからの返事など、絶対に期待してはいけません。
そして怒ることにも注意が必要です。
むやみやたらに怒ってもほぼ無意味です。
心理学の三大巨匠と言われるアルフレッド・アドラーはこう言っています。
『猛烈に子どもを叱っている母親の目的は、その行為で我が子を屈服させたいと思って怒っているのです。
子どもが不始末をしでかしたという原因で怒っているのではありません」
学者の論理がすべて正しいとは言いません。
ただ、この言葉は一考の余地があると思います。
私は、野球チームに入っていた小学生の次男を、練習中にこっぴどく叱ったことがありました。
この、アドラーの言葉をかみしめながら当時を思うと、顔から火の出るような恥ずかしさと反省に襲われます。
手紙の書き方も教えます。