COVID-19 〜感染することのリスク〜

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こんにちは!Dr.しずくと申します。
私は民間病院で内科医師として勤務しており、COVID-19の患者さんの対応もさせていただいています。最近は連日の報道にあるように第5波、感染拡大が続いております。日々業務の中で外来、入院ともに患者さんが増えてきていることを実感しています。特に若い方は増えてきた印象を感じます。

自粛生活は退屈だ

長い長い自粛生活。そろそろ飽きてきましたよね。私も同じ意見です。
私は医療従事者であるからこそ率先して自粛せねばと外出を控える退屈な日々です。

短い夏の間に東京オリンピックは開催され、お盆には皆帰省し、FUJI ROCK FESTIVALも開催されました。少しずつ大規模なイベントに参加する人や旅行に出かける人が増えてきたような気がします。

「オリンピックを開催したのだから自粛なんてできるか!」

そのように思う気持ちも十分に理解できますが、結局のところ感染拡大を防ぐためには3密を避けること、ワクチン接種し集団免疫を獲得することなどできることが限られていると考えます。

若者は重症化しない?

変異株は若者でも重症化するリスクがあると報道されていますが、初期の頃はCOVID-19は若者は感染しても無症状だから大丈夫だろうと思う人が多かったと思います。

しかし本当に感染しても無症状ならばそれでいいのでしょうか?
ただの『風邪』なら問題ないのかもしれません。しかしCOVID-19は未知の感染症。長期的な経過について不明な点も多く残っています。

今日は感染した後のリスクについて考えていこうと思います。

COVID-19と不妊症

ウイルス感染と乏精子症といえばムンプスウイルス(おたふくかぜ)が関連が知られています。COVID-19も乏精子症との関連が示唆されています。

COVID-19と診断された患者の精子のについて調査してみると、精子量や運動性、濃度などが低下していることが報告されています。

参考文献
Semen impairment and occurrence of SARS-CoV-2 virus in semen after recovery from COVID-19 M. Gacci et al. Human Reproduction, Volume 36, Issue 6, June 2021
COVID-19 and male reproductive function: a prospective, longitudinal cohort study Behzad H.M. et al. Rproduction, Volume 163, Issue 3, Mar 2021


COVID-19と脳梗塞、心筋梗塞

COVID-19は血栓症(血が固まりやすくなること)を引き起こす可能性があると言われています。血のかたまりによって血流が低下し心筋梗塞や脳梗塞のリスクになりうるのではないかと調べた研究があります。
COVID-19に感染した患者は非感染者と比較して心筋梗塞や脳梗塞のリスクが3~6倍ほど上昇すると報告されています。

参考文献
Risk of acute myocardial infarction and ischaemic stroke following COVID-19 in Sweden: a self-controlled case series and matched cohort study Ioannis Katsoularis et al. Lancet 2021; 398: 599–607

結局のところ感染予防に努めるしかない

さてCOVID-19に感染することのリスクについて記載してみました。
まだまだ不明なことも多いウイルス感染症です。私たちにできることは感染予防に努めることに限ります。

感染予防には地道な努力が必要です。感染が拡大している今だからこそ基本に立ち返って全員で協力してCOVID-19に立ち向かいたいですね。
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