テクニカル分析(ボリンジャーバンド)

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マネー・副業
ボリンジャーバンドとは、米国の投資家が開発したテクニカル分析手法の一つで、ボラティリティ(価格変動率)を示す*標準偏差が利用されており、相場の方向性を示すだけでなく、ボラティリティの変化に応じてバンドが縮まったり広がったりして次の値動きを予想できる非常に優れたテクニカル分析です。

*標準偏差:平均値からどれくらい離れているのかを示す指標



ボリンジャーバンドは一般的に現在レートの上に3つ、下に3つのバンドと、期間20の指数平滑移動平均線から構成されます。

バンドは統計学上の標準偏差が使われており、上側に+1σ、+2σ、+3σ、下側に-1σ、-2σ、-3σのバンドがそれぞれ引かれます。

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<標準偏差の意味>
1σ=68.26%
2σ=95.44%
3σ=99.74%

例えば、レートが±2σのバンド内に収まる確率は95.44%で、逆に±2σの外に外れる確率は4.56%です。

この説明だけを聞くと、「じゃあ、もしレートが±2σや±3σの外にあれば、そのうち元に戻るから逆張りで仕掛ければいいのか!」と思うかもしれませんが、ボリンジャーバンドで逆張りは危険で誤った使い方です。

なぜなら、実際の相場では勢いよくレートが動いた時に、レートがバンドに沿って走る「バンドウォーク」という現象がよく起こります。

では、ボリンジャーバンドが何の役にも立たないかというと、そうではありません。

ボリンジャーバンドの最大の特徴は*ボラティリティの変化を一目で把握できることであり、相場のトレンドが発生する瞬間を狙うことができます。

それが、後ほど説明する「エクスパンション」と「スクイーズ」です。ボリンジャーバンドではこの2点に着目することで、勝率の高いトレードを実現することができます。

*ボラティリティ:ある銘柄についての価格変動率のことをいいます。オプション取引では原資産価格が年間でどれくらい変動するかを年率で表示したもので、テクニカル分析の指標のひとつとしても活用されています。「ボラティリティが大きい」といえば、値動きの乱高下が激しくなっている様子を示しています。


<ボリンジャーバンドの設定値>

期間20の指数平滑移動平均線
バンド±2σ
移動平均線の期間はデフォルトでは20が設定されており、ほとんどの投資家がこの数値を使っていますので、特に変更する必要はないでしょう。

また、ジョン・ボリンジャー氏が推奨しているバンドは、±2σと言われています。

というのも、±1σのバンドは頻繁に到達してしまう他、±3σのバンドはほとんど到達しないため、最も使い勝手がいいのは±2σとなります。



<ボリンジャーバンドによる逆張りは危険>
ボリンジャーバンドでは、±2σのバンドには95.44%の確率でレートがバンド内に収まることを説明しました。

ここで、単純にレートがバンドの上限に達したから売り、下限に達したから買い、と逆張りのトレードをすることは危険です。

なぜなら、実際のチャートではレートがバンドに到達した後、さらにトレンドが加速してなかなか反転しないケースが相応にあるためです。



<ボリンジャーバンドトレンド手法>

手法1:エクスパンションとスクイーズ

ボリンジャーバンドを使ったトレード手法の中で、最も有名で勝率が高いのが「スクイーズからエクスパンションが発生」する際のトレードです。

「スクイーズ」とは、下図のように上下のバンドの幅が狭くなっている状態のことです。相場はトレンドが出ていないレンジ相場であり、ボラティリティ(価格変動率)が小さい状態であることを示しています。

そして、上下のバンドの幅が急拡大している状態が「エクスパンション」です。スクイーズでは、相場は次なる大きな動きに向けてマグマをためている状態であり、何らかの拍子にその拮抗が崩れると、溜まっていたマグマが一気に噴き出すようにバンドが拡大し、レートが急激に動きだします。

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では、スクイーズとエクスパンションを使ったトレード手法を説明していきます。
先ほど説明したように、スクイーズは次の爆発(レートが急に動き出す)前に相場がエネルギーを溜め込んでいる状態であり、ボリンジャーバンドでスクイーズが確認されたら、エクスパンションが起こる時を狙っていきます。
下図のチャートでは、最初、長いスクイーズの後、何かの拍子に拮抗が破れ、レートが急落しています。この時、ボンジャーバンドは上下にバンドが拡大していますので、このままレートが走る可能性が高く、ローソク足がバンドの外でクローズしたのを確認して、(1)で売りエントリーします。

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そして、利益確定のタイミングは、バンドの反対側に着目し、反対側のバンドが反転したのを確認して利益確定をします。今回の場合ですと、上側のバンドも一緒に広がっていますが、(2)のポイントで広がったバンドが縮まりつつあり、ここで利益確定するのが、ボリンジャーバンドの定石です。
なぜなら、バンドが急拡大することは、ボラティリティが上昇しているので一気にレートがその方向に加速する可能性を示唆していますが、バンドが縮むということはボラティリティが低下し、一旦そのトレンドの勢いが弱まる可能性を示しているからです。
上図の例では、その後、もう一度スクイーズが起きて、エクスパンションが発生しています。この時は、(3)でローソク足がバンドの外側でクローズしているのを確認して買いでエントリーし、(4)でバンドが縮まりかけているのを確認して売り決済をします。
その後、レートはじりじりと上昇していますが、バンドが縮まり反転するリスクもあるので、ボリンジャーバンドを使ったトレードではバンドの縮まりでクローズが一般的なのです。




手法2:±1σを使ったトレード手法
±2σでのスクイーズとエクスパンションがボリンジャーバンドの最も有名なトレード手法ですが、±1σにも使い道はあるのです。
それは、±1σを超えたタイミングで順張りのエントリーをし、±2σで決済をするという手法です。
前述で、±2σは95%の確率でレートがそのバンド内に収まるが、エクスパンションでレートが一気に拡大することがありますので、逆張りでエントリーすることは危険だと説明しました。しかし、逆に、±2σもしくは±3σに到達したら、ポジションをクローズするということであれば、特にレンジ相場の場合など、±2σ、±3σは有効に機能します。
例えば、下図のチャートであれば、(1)のポイントで+1σのボリンジャーバンドを下から上へ突き抜けた時点で買いでエントリーをし、+2σか+3σへ到達した時点で売りの決済をします。
もちろん、予想に反してレートが+1σを付けた後に反転する可能性もあるので、損切りもボリンジャーバンドの真ん中の移動平均線か反対の-1σに設定をしておけばリスクは限定されます。

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また、以下のポイントでのエントリーは結構有効です。
(2)売りでエントリー
(3)買いでエントリー
(4)売りでエントリー
(5)買いでエントリー
細かいエントリーのタイミングや、利食いのタイミングは、自分でルールを決めるところです。
例えば、エントリーのタイミングでは抜けた瞬間にエントリーするよりも、ローソク足の終値が±1σの外側で確定した時点でエントリーする方が勝率はあがります(もちろん利幅は少なくなります)。
そして、利食いも、例えば、±2σ、±3σに達した瞬間ではなく、それらの内側でローソク足の終値が引けたことを確認すれば、レートが勢いづき、バンドの外側を走る動きをとらえて利益を伸ばすことが出来ます。
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