♪桜と古墳の街で迎える、8度目の秋本番。
★ 近所の大きな古墳公園と 保健所の入口にて 太極拳やってました
普段愛用の、塒から徒歩10分ほどのスーパーが、改装工事で半月弱ほど休業するらしく。
この日はすでに仕入れを控えていたのか、商品棚は空き気味でした。
とりあえずトイレットペーパーと箱ティッシュペーパー、余分に買い込んでおきました。
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♪バリバリ体育会系京熟女。
残念ながら私が生まれた本家における、楽器メーカーとしての歴史は、1970年代で潰えてしまいましたどすえ。
跡取り息子は家を飛び出し、遠い地で自身のブランドを立ち上げたのは、1990年前後だったかと思いますが、風の噂を聞かなくなって久しいどすえ。
「どすえ」 は私の名前じゃないので、このへんで標準語にトライしますね。
♪現在五十代以上のコアなギターマニア限定で、一目置いていただける私たちは、1970年代前半の短期間、京の都の家内制手工業的な工房で地道に製造され、西日本を中心に出荷されていたみたい。
そして 『ジャズギター』 『ピックギター』 と称される製品は、その後日本有数のビルダーとして知られることとなる若者が、全工程を一手に引き受けていたとも?
だったら自ずと製造本数にも限界が生じるけど、当時の彼はフル稼働以上だったみたい。
もちろん修行時代の作品、随所に発展途上が見受けられて当然だけど、今日あらためて検品というか鏡に映った自分を見ると、
「わっちゃ~…」
修業時代もなく、いきなり楽器メーカーの製品を独学で組み上げていたことを思えば、仕方ないんだろうけどさ。
だけど近年の製品なら、まちがいなく問題アリというか、出荷できないというか、そんな個性があちらこちらに。
たとえば私の場合、左右対称であるべき中心線自体が、微妙にズレているの。
シンメトリーであるべきところ、フリーハンドで身体のラインや背骨が歪んでいるから、肩凝りが治まらないわ(苦笑)。
他にも同一品番の製品のデザインや、用いられた木材が違うなども当たり前。
品番の意味ないじゃん!?
ちなみに若き日のお父さんが名付けた私の名前は 『P-80』 だけど、今日現在ネットで反映される同名の親族はいずれも、それぞれが別物だから、わけわかんなくて。
独自の製造工程に関しては、あまりに専門的になってしまうので伏せるけど、
「どうしてわざわざそんな手間をかけたの?意味があったの?」
そして組み上がった私は、屈強な女性格闘家そのもの。
鋭角的で荒くれた声質に、重量感抜群の抱え心地。
圧倒的な皮膚の厚さ+骨太だから、それも当然よね。
♪中古市場でもチョロチョロと出回っているみたいだけれど、状態の良い仲間はまず見かけないわ。
その点私は1970年頃の誕生から約半世紀、頁生(さん)の手元に嫁いだ時点で、時を超えた年季十分以上の箱入り娘だったのよ。
舞台裏は内緒ね。
ちなみに私のブランド名は、当時の代表だったご一家の苗字そのまま。
短命だったことと、当時の物流事情もあってか、東京方面では知名度が低かったためか、プロ・ミュージシャンの愛器としても、活躍の場は残念ながら …
いえいえ。
私の名を全国区にしてくださったのは、大阪出身の超大御所ギタリストさま。
★ 内田勘太郎(敬称略) 画像はネット上より拝借
他の人が抱えているイメージは、どこを探しても見当たりませんね。
どうやら前回登場のイワノフちゃんと、カテゴリは一緒みたいだわ。
頑固な個性派の製作家が、その場の雰囲気で作り上げたギター。
そういえばご主人さまのコレクション、いずれもキワモノ(※)ばかりだわ。
世間で流行のモデルとか、全然興味ないみたいだし。
類に相棒が寄り集まっている状態だろうけど、だから心地好いのも事実。
ようやく巡り会えた頁生(さん)、これからもよろしくお願いするどすえ。
次回はいよいよ、ご主人さまのメインギターと位置付けられている、あのカノジョ(←)の登場です。
ヤキモチはありませんどすえ?
語り部 : チャコちゃん
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