幻想の人々

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美容・ファッション
衣服や持ち物で真に他人との差別化を図るのであれば、モノを着用者の生活の一部として染み込ませる時間と経験が必要です。

他人と違った自分を演出するツールとして衣類は大いに役立ちます。突飛な色柄や奇抜なシルエットの洋服を着る事で確かに他人との差別化は可能です。それ自体は表現の一環であり、背景が伴っていれば納得できることも少なくはありません。

シュルレアリスムの巨匠たちは、文字通り現実離れした情景を鑑賞者に提示してきました。写実性とは別の次元で描き、前衛的な作風を確立していきました。

しかしながらその背景には、卓越した筆致や、無意識・夢想世界の表現を通じて「超現実」という新たな現実・リアリティを追求するという理念がありました。

当ブログの文意に沿うよう安易に着地させるならば、奇を衒うことに主眼を置いた表現ではなく、一見ヘンテコ、されど骨太な作風です。

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「幻想の人々」マルク・シャガール



EDWIN WOODHOUSE スリーピース

この度ご紹介するのはEDWIN WOODHOUSE の3PLY 300g で仕立てたネイビーのスーリーピースです。

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この生地に使われる糸は強撚糸(キョウネンシ)と呼ばれ、読んで字のごとく撚りを強くかけることで、シャリ感/crispな触感を実現しています。

スーツに仕立てれば高温多湿な日本の夏に適し、同時に威厳ある立体感を演出することができます。更にシワにもなりにくく、トラウザースのクリースも見事。まさにこの実直な生地の性質を表すかのような仕上がりとなります。

上質な糸を美しく織り上げ、着用者個人の生活に寄り添うよう確かな技術で仕立て上げた物を身につける事で、差別化の準備は万端です。表面的に飾り立てた過度なデザインや激しい色柄は、時に、この静謐なエレガンスをかき消す雑音になりかねません。


真の差別化

では「あなたの個性をどの様に洋服で表現すればいいのか?」
質問自体がズレています。主役はあなた。

堂々としたシルエットとスリーピースの存在感に多少違和感を覚える方もいるかもしれません。しかし、就活生のスーツや小学一年生のランドセルのように、満場一致で似合っていなかったはずのモノ・スタイルであっても、いつの間にか堂に入るという経験は誰もがお持ちかと思います。

この装いで生きていくというマインドセットで着用し、その装いがあなたにとって何の変哲も無い自然な姿になった時、換言すればあなたの生活に浸透した時、服ではなく、あなた自身が世間とはひと味違う見え方になっています。

洋服が自分を変えてくれるという幻想を改め、洋服を通じて新たな現実・新たな自分を追求するという姿勢こそが、真に美しい差別化の形です。
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