「絆の証―自動車整備工が見た、命と優しさの絶妙な融合 パート13」 記事

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義男は三日後の日曜日に、かずちゃんとドライブデートする予定だったが、計らずも今日、かずちゃんはカローラの助手席に座る事になった。これもナミちゃん?と思った。
時刻は夕刻に掛かって来たので、義男はスモールライトを点けた。
計器盤が一瞬にして鮮やかに彩られた。まるでハワイの夜景のように美しく輝いている。デジタルの計器盤が色とりどりに輝き迚綺麗だ。
流石最先端のデジタル機器を積んだカローラスポーツハイブリッド車だ。

義男は、かずちゃんを助手席に迎えてカローラを自宅へ向けて快適に走らせていた。
義男:ママさん手首を捻挫して大変な目に遭っているね。

かずちゃん:二階からパーマ液を段ボールごと持って階段を下っている時に足を踏み外して、そのまま下まで転落と言うか滑落と言うかしちゃって、それで手首を捻挫したの。大きな段ボールで足元が良く見えなかったらしいの。

義男は、かずちゃんが助手席に座って話しているのを聞いて感激を感じていた。こんなに近くで憧れの、かずちゃんと話をしているなんて、しかも二人っきりの車内で、と思うと嬉しさが込み上げて来る義男だった。

義男は、経営者の愛子が義男を強引に店内に招き入れた時に初めて、かずちゃんと正面対峙した。
その瞬間、心臓がドキン!と脈を打った。同時に義男はこの人を絶対に俺の嫁さんにすると強く心に決めた。

今、俺は自動車整備工をしている。かずちゃんの為に将来は俺も自動車整備工場を経営して、かずちゃんに苦労を掛けない自信がある。
自動車整備1級の国家資格も、こうなったら絶対に取るぞ。
両親に会わせて既成事実を作って、早く俺の嫁さんにしたいと思って居た。
その矢先、かずちゃんが目の前に現れたので、義男は度胸を出して誘ったのだ。普段は度胸が無い義男にしては上出来だった。

義男:両親に会って欲しいんだけどいいかな。俺初めて彼女ができたので紹介したいんだ。
かずちゃん:ちょっと緊張するけどいいわよ。
義男:それと俺が飼っている可愛い三毛猫のナミちゃんにも会ってくれよ。

かずちゃん:義男さん、猫を飼っているのね。私の実家にも15年位生きていたロロちゃんと言うオスネコが居たんだけど、私が高校生の時に交通事故で死んじゃったの。とっても悲しかったわ。今も会いたくてしょうがないのとポツリと呟いた。
そんな話をしている内にカローラスポーツハイブリッド車は義男の自宅に着いた。

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義男とかずちゃんから一言
最後まで読んでくれて有難う
パート1から読んでね(^^♪

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