シリーズ<ココナラ Webスクレイピング分析>その6 新着順と販売実績

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ビジネス・マーケティング
 今回もWebスクレイピングを用いて集計したデータより、出品サービス「新着順」と「販売実績」の関係性から考察していきます。

 今回のテーマとして「新規参入は難しいのか?」という疑問に対して答えを求めていきます。
 シリーズ第1回のテーマとかぶりますが、今回は異なるアプローチでやっていきます。
 テーマの「新規参入は難しい」とはすなわち「購入は古い出品サービスに偏りがちになる」という仮定になります。

<集計方法>

 今回もカテゴリを絞って集計します。
 集計対象のカテゴリは「IT-プログラミング開発→作業自動化・効率化→エクセル・VBA関係」に絞ります。出品数は約900件になります。

<結果>

 早速、「新着順」と「販売実績」の関係性を可視化してみます。

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図1:新着順と販売実績の関係
 図1を見て分かるように、古い出品ほど販売実績が多いのが分かります。しかし、販売実績が700件ほどで飛び抜けた出品があるせいで、全体の分布が分かりづらいです。ですので、次に、販売実績を20件までに絞って表示してみます。

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図2:新着順と販売実績の関係(販売実績20件まで)
 図2の分布を見てみても、古い出品ほど販売実績が多いことが分かります。
 次に、もっと最近の出品サービスに絞って表示してみます。

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図3:新着順と販売実績の関係(販売実績20件まで、最近200件の新着まで)
 図3では最近200件までの出品においての販売実績を表示しています。
 図3からは、より最近出品されて販売につながった出品がどのくらいかがわかるようになります。
 具体的に件数を図示していますが、直近100件では販売実績1件以上は3件、次の100件では14件となっていて、最近200件に絞っても、古い出品ほど販売に繋がりやすいという傾向は同じなようです。つまり、出品したばかりで購入につながるのは結果では数%程度であります。ポジティブに考えれば、「すぐに売れなくても気にしなくてもいい」、ネガティブに考えれば、「そんなにすぐには売れないぞ」です。どう捉えるかはおまかせします。
 ちなみに、私が出品を始めた頃の出品がちょうど新着順100ぐらいで、それが2021年6月末となり、ちょうど2ヶ月まえとなります。(現在は2021年8月)、だいたい2ヶ月に100件ぐらいが新たに出品される傾向ですね。あと、今回の分析だけでは「出品サービスの出品開始日」は不明なので、これも今後の課題としておきます。
 さらに詳しく分析して見ましょう。
 新着順で100件単位で分割して、販売実績の合計を円グラフにしてみます。
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図4:新着順100件単位での販売実績の合計の割合
 図4を見て分かるように、販売実績の合計は大半は古い出品に偏っていることが分かります。
 以上から、冒頭の「新規参入は難しいのか?」という仮定は、「まぁその通り」だねってなります。
 しかし、新着順が新しくても販売につながっている出品サービスは今回の分析で特定が可能です。これから「どういう出品が購入につながるのか」という分析の大きな手がかりとなります。この点は、また本シリーズで取り上げることになると思います。
 また、「購入につながりやすい」をちゃんと定義すると、「単位期間あたりの販売実績が多い」と言えるので、今回の分析ではあくまで「累計販売実績」であるため、仮定に対しては正確な分析とはなりません。

<結論・まとめ>

 以上の分析から結論としてまとめます。
・販売実績は古い出品に大きく偏っている。
・直近100件(約2ヶ月)で購入につながる出品は3%ぐらい。
・実際は「単位期間あたりの販売実績」を求める必要がある。

<前回記事>


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